2018年9月15日土曜日

第8回ナラティブ報告会(7階西病棟編)

今回、(7階西病棟:内科)に所属するH29年4月に入職した3名が、この1年間で心に残った患者様や、ご家族との関わりについて報告致します。

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7階西病棟 内科

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7階西病棟

新人看護師 大迫 凪沙   
        「患者様との関わりの中で気づいたこと
 看護師になりもうすぐ1年が経過する。看護業務を行う中で、業務量の多さに追われて疎かになってしまう部分もあり「わたしは看護ができているのか」
「わたしは看護師に向いていないのではないか」と悩む事がある。看護師になって半年くらい経った頃に、終末期の肺癌患者Aさんに出会った。初めてAさんの担当をした際に、「おはようございます。今日の調子はどうですか?」「ご飯はしっかり食べられましたか?」といろいろ声掛けをして、コミュニケーションを図ったが、あまりはっきりとした反応は得られず、拒否的な言葉ばかりが返ってきたため、その日は私の声掛けの仕方が悪かったのかと、とても悩んだ。
 しかし、その後も何度か訪室の際に声掛けをしたりしたがいつも拒否的な返答であるため、私はAさんに対して関わりにくいと感じ、苦手意識を持つようになっていた。
 ある日、昼食を配膳している時に、「Aさん。お食事を持ってきましたよ」という私の声掛けに目を開けず寝たままで「食べてくないから持って行って」と返された。私は「最近、ご飯を食べれていないので、ゆっくりでもいいので食べれるだけ食べて下さい」と声掛けをして、その場を離れた。その後、2回ほどAさんの様子をのぞいても食べている様子はなく、私はどうしていいのかわからずそのままにしてしまった。その日から何度かそういったことが続き、私のAさんに対する苦手意識は強まるばかりであり、Aさんからの食事摂取量は増えず、食べない日が続いていた。
 そんな中、Aさんのチームカンファレンスをした際に、意欲があまりなく食事摂取量がよくないことが挙がると、師長さんが「こちら側が何かをするように言うのではなく、Aさんが何をしたいのか、何を食べたり飲んだりしたいのかを本人に聞いて、Aさんの希望を叶えていけるようにしましょう」と話して下さった。その時に、私はAさんの希望を聞かず、私のしてほしいことをAさんに押し付けていたことに気づいた。その後、担当した際に私は、Aさんに対しての声掛けをなるべくAさんの希望を聞くようにした。そうすると少しずつではあるが、今どうしたいのかを話して下さるようになり、以前よりコミュニケーションが図れるようになった。
 そうすることでAさんに対する苦手意識も減っていった。しかし、Aさんの状態は悪くなるばかりで、ある日出勤するとAさんは亡くなり退院されたあとだった。Aさんんとの出会い・関わりは、患者さんとの関わりの中で大切なことを気付くきっかけとなる大切な出会いとなった。
Aさんとの関わりの中で気づいたことは、今患者さんと関わる中でとても大切にしており、自分の考えを押し付けるのではなく希望を聞くことを心がけている。しかし、今でも時折、自分の考えの押し付けになっていたと反省する事がある。そんな時は、Aさんとの関わりを思い出して次に関わる時、患者さんの希望を聞きながら関わることを大切にしていきたい。

実地指導者 前田 舞    
        「患者様の思いを尊重する大切さ
  早いもので入職して1年が経ちました。初めての社会人として、どのような1年間だったでしょうか?緊張と不安でいっぱいだったと思いますが、物怖じせず淡々と業務に慣れていったように感じます。
 患者様は性別・年齢・疾患それぞれ異なり、ひとりひとり対応の仕方・声かけの仕方が変わってくると思います。私たちがこうしてほしい・こうなってほしいと思っても、患者様はそれを望んでいないかもしれません。今回の事例を通し、2年目からはぜひ患者様のニーズに添える看護を提供できるよう、患者様の言葉・行動を観察していきましょう。そして自分なりの看護観を見つけてみてください。
 厳しく指導することもあったかもしれませんが、お互い少しずつではありますが、一緒に成長できたことを嬉しく思います。
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年目に入りましたが、今年も大迫さんのサポートをしていきますので、遠慮せず声をかけてくださいね。今年も一緒に成長していきましょう。

7西病棟師長 永山 アキ    
        「模索し続けた1年間
 振り返るとあっという間に感じるのかも知れませんが、長い一年間だったかも知れません。
「早く先輩方のようになりたい!」と日々模索しながら、考えながら、先輩方に近づこうとしていた毎日でしたね。そんな大迫さんを前にして私自身としては、元気のあるときは大丈夫だなと安心し、元気がないと感じた時は疲れているのかな?大丈夫かな?と見守る日々でした。
体調不良で休む事がなかった時に、社会人としての自覚の高さを感じました。社会人としていざ現場に出てみると、足りない自分に葛藤を抱いたり、時には後ろ向きに考えたりすることは誰でも経験することです。そんな事を現場では一切口に出さずに日々の業務に取組んでいました。  
    先輩方の厳しい助言や、時に患者さんからある強い訴えは、理解してくれるだろうという、相手への信頼があるからこそ出てくる言葉でもあります。患者さんたちが、大迫さんに見せてくれる表情、言動にはすべて何らかの意味があります。
 そのサインに気づけるかどうかは、今後の大迫さん次第です。この一年間、患者さんとの毎日のやり取りの中で、大迫さんが心の表面だけで感じていたことを今後はさらに思いを深めて、患者さんに寄り添い、患者さんにとって心に残る看護師ナンバーワンを目指していきましょう。出来ますよ。大迫さんなら。

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新人看護師 三浦 美咲   
        「患者ケアで心に残った出来事
 私の心に残っている看護エピソードは、身体抑制をしている患者様を受け持っている時のことです。その患者さんは、高齢で、認知症があり、点滴施行中には留置針を自己抜去されることがあり、両手にミトンをつけ、身体抑制をしていました。ミトンの中には、手指の動きを抑制するため、かなり窮屈になっており、こぶしを作った状態でミトンを装着しなければなりません。
そうなると、抑制中はずっと両手はこぶしを作った状態のままで、ミトンの中で手指を動かすことは出来ません。先輩方の中には、患者様に付添い、抑制解除をしている方もいたのですが、私は、自分の仕事をこなすのに精いっぱいで、そのようなケアの提供が出来ていませんでした。
又 、患者様は車いすに移乗出来ず、車いす移乗し手の抑制を解除するというケアも行う事が出来ませんでした。数週間後、患者様の受け持ちになった時に、時間を少し作ることが出来、先輩方の様に患者様に付添い、抑制を少しの時間でも解除出来ないかと考えました。
 ミトンを外そうとすると、患者様が手を私の前に突きだし何かを訴えるような表情と仕草をされました。ミトンを外すと、両手の関節が拘縮をおこしている状態でした。患者様は痛みがあるとの事を伝えたかったのだと気付きました。拘縮が出来るほどの長い時間、抑制をしていたことをあら改めて実感し、先輩方のようなケアが行えていなかったことを後悔しました。
点滴施行中であり、自己抜針の恐れがあるため、完全な解除はすぐには出来ませんが、少しの時間だけでも解除し、手指を他動的に動かし、拘縮の予防を行ったり、点滴ルートを見えない位置にし、抑制を解除するなど、そのようなケア方法もありましたが、身体抑制についての認識が甘く、このような結果を招いてしまったのだと気付きました。
 身体抑制は拘縮や神経障害を来すこともありますが、体を動かしたいのに動かせずストレスも溜まるため、精神的なケアも必要になってきます。身体抑制としっかり向き合い、出来るだけ抑制の時間を少なくしたり、コミュニケーションをとっていく事が重要であることを学びました。今後も身体抑制を行う患者様への対応に気を付けて、それぞれの患者様にあったケア方法を考え、患者様と向き合っていきたいと思います。

実地指導者  田 佳代子    
        「今の気持ちを大切に
 入職して、一年経ちましたが、この一年で色々と感じることがあったと思います。
最初は覚えるのに必死でついていくのが精一杯でしたね。それでも、三浦さんは、嫌な顔をひとつもせず、辛い事も乗り越えながら頑張っていたと思います。今回、身体抑制をしている患者様を受け持ち、少しでも抑制を解除してあげたいとありました。
 この気付きは、看護する中で大切なことだと思います。私もですが、業務におわれて患者様の気持ちを考えずに、自分の事を優先してしまいがちになってしまうことが多々あります。後で振り返り、反省はしますが、患者様にとっては、「今」が大事なのだと思います。
業務内に終わらせることも、もちろん大事な事ですが、患者様がその人らしく入院生活を送れるよう、援助していけるようになればいいですね。 
 これから先は、先輩として、後輩に教えていかなければなりません。でも、私達でも常に学びながら看護をしているので、分からないことがあって当たり前だと思っています。わからない事があったら、いつでも聞いてください。そして、今の気持ちを忘れずに、これからも一緒に頑張って行きましょう。1年間、お疲れ様でした。

7西病棟師長 永山 アキ    
        「常に患者さんに向き合おうと考えた日々
 日々目まぐるしく変わる業務の中で、本当に一年間が経過したのかと思っているのではないでしょうか。気が付くと、たくさんの学びがあり、患者さんからとても良い気づきをもらえていましたね。そういう関わりがあったことを知り、嬉しく思いました。
 三浦さんは、普段から発言することがあまり多くはないので、患者さんとのコミュニケーションが図れるだろうかと心配したこともありました。しかし、しばらくしてそのことを理解できるようになりました。三浦さんの看護記録を読んだらわかります。いつも考えているのです。
 患者さんにどのように声掛けしたら良いか、どう対応したら良いか。患者さんにとっての最善策を毎日毎日どんな時も考えて、しっかり看ようとしていたのですね。看護記録もただ業務的に記入するのではなく、いかに自分が納得して記載するか、記録からその思いを看護師としての意気込みを感じる事が出来ました。看護する為には、いつも多角的視点を持ち、常に何かを行いながら他の業務もこなさないといけません。時間配分が上手くいかず、視野が狭くなり先輩から指導を頂くこともありました。でも、それも皆が足並みをそろえたいという思いがあるからです。
 少しずつ出来る事も増えてきましたが、それでも先輩方にはまだまだ及びません。出来る事、出来ていないことを客観的に見つめて、更に患者さんへ最善が尽くせるように、看護を深められるように今後も頑張って行きましょう。みんなで応援しています

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新人看護師 奥松 康宏   
        「心に残る患者様との出会い
 看護師になり、もうすぐ一年が経とうとしている。日々看護業務を行っていく中でタイムスケジュールを立てられず、時間に追われ患者様のケアやナースコール対応が疎かになっているところがある。患者様に頼まれたりしたことを「ちょっと待っていて下さい。」と返事をし、後回しにしてしまうことがあり、不快な思いをさせていると感じる事が多々ある。
 看護師になり、9か月ほど経った頃に実地指導者のフォローのもと、重症患者様の多い部屋を受け持たせて頂いた。その時に初めて、肺がんの診断で入院されているAさんを受け持った。気管切開しており、人工呼吸器を使用しているため、両上肢ミトンと抑制帯を使用していた。
自分がフリー業務を行っている時に訪室した際などに声掛けを行うと、うなずきや身振り・手振りでコミュニケーションをとって下さる患者様であった。受け持たせて頂いた当日もうなずきや身振り・手振りでコミュニケーションを図ることが出来た。午前中と午後の検温時に、抑制帯を外してほしいと訴えがあったが、外した後近くにいることが出来ないため「後で家族が来た時に外しましょうか。」と返答し、うなずきがあったものの、渋々納得された様子であった。
 午後の検温後、しばらくしたら家族の面会があり、抑制帯を解除した。その後、実地指導者と定時のおむつ交換に入った際に急変された。DNRの患者様であったが、家族希望にて胸骨圧迫と昇圧剤投与を行ったが、状態改善なく死亡退院となった。エンゼルケアも行い、家族希望の服を着て頂きお帰りになった。ご家族より「最後まで頑張ったでしょう。」や「ありがとう。」と声をかけられた。その言葉から患者様の訴えにすぐに答えられず後回しになってしまったことや、何かほかにも伝えたいことがあったのではないか、もっと良く観察が出来ていれば急変も起こさなかったのではないかと思い、「自分が看護師でいいのだろうか。」と悩んだ。
 実地指導者とも、その日のことを話合い振り返りを行った。Aさんのことを経て、患者様とのコミュニケーションや訴えに対する傾聴や対応の大切さを改めて感じる事となり、患者様の訴えに対する「後で。」は、その訴えを諦めさせてしまったり放置されるのではないかという気持ちにさせてしまい、簡単に使用してはいけないと考えを改める事が出来た。
 患者様の訴えにすぐに対応出来ない際は「後で。」ではなく、先輩看護師のコミュニケーションの際の「5分後に伺います。」など、正確な時間を伝えることで自分の気持ち的にも楽になり、患者様も安心されると感じた。まだ、自分が看護師として患者様に接する中で、とった行動がそれで良かったのかと悩むことが多いが、実地指導者をはじめとした先輩看護師方から学んだことや、今回のことから学ぶことが出来た事を活かし、これからも患者様との、より良い関係を築いていけるようにしていきたい。

実地指導者  内野乃 清人    
        「者様との関わりを通して
 
1年間お疲れ様でした。入職当初は、不安そうな顔で、質問してもなかなか口をひらいてくれなかった姿を最近のことのように思います。タイムスケジュールが課題になったり、この1年間で多くのことを体験し学んできたと思います。業務に慣れるのも必死で、自分にできることは何かと常に考えながら、どんなに忙しくても笑顔で接し、患者様を敬う気持ちを忘れずに丁寧に接する姿を見て、私も見習わなければと思うことが多々ありました。 
 
今回の事例はよく覚えています。
ケアと家族の面会時間が重なってしまった時も優先順位をつけて患者様・家族への声掛けの仕方を学べたと思います。患者様との関わりも大切ですが、家族との関わりも大切です。
  トラベルビーの言葉の中に「希望は信頼関係と関連しており、困ったときには看護師が支援するということを行動で示していなければならない。信頼の確立は、看護師がもたらすものである。」という言葉があります。2年次も一緒に頑張っていき、協調性のある病棟を作っていきましょう。
また、心情の上でもとても大変だったと思います。1年間本当にお疲れさまでした。

7西病棟師長 永山 アキ    
        「出会い、別離、そして新たな出発
 緊張した面持ちで配属されて1年。沢山の変化と節目であった一年だったのではないでしょうか。「タイムスケジュールが立てられないです」「時間通りに出来ていません」面談の度に次をどうしていこうか考えましたね。今振り返ってみると、本当に成長されたと感じています。
 成長とは「出来なかった事が出来るようになる事」です。言葉にするととても簡単です。しかし、看護業務として考えたらどうでしょう。一人で大勢の患者さんの検温が出来るようになること、入院患者の対応が出来るようになること、一つの業務を行う為には、知識や根拠、安全や清潔不潔への理解や、複雑に関わる一つ一つの作業を緻密に行う能力が必要になります。昨年4月に出来なかったことが、出来るようになったこと。本当に成長した事を嬉しく思います。又その一つ一つの積み重ねの背景には、どんな時も支えてくれた先輩方の姿があります。
 昨年8月にお母さんとお会いした時、「奥松君、頑張っていますよ、大丈夫ですから。」最初で最後の言葉になってしまいましたが、今となっては伝えられて良かったと思います。これからもみんなで見守っていきますからね。

 今回で、参加者全員のナラティブ報告が終了致しました。illust247843_thumb
現在は、2年目の看護師として新たな取組みと併せて、1年目
(新人看護師)の見本となるよう頑張っています。
心に届く看護を目指してチェストいけ~



2018年7月19日木曜日

第8回ナラティブ報告会(7階東病棟編)

今回、7階東病棟:内科に所属するH29年4月に入職した4名が、この1年間で心に残った患者様や、ご家族との関わりについて報告致します。

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7階東病棟) 内科

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7階東病棟
新人看護師 森 大輝
        
急変を通して学んだこと
 この一年を通して一番私の心に残っていることは、 受け持っていた部屋の患者様が急変した時の出来事でした。私が働き始めてから半年以上たち、2部屋の部屋持ちをするなかで少しずつタイムスケジュールを考えながら行動できるようになった際の出来事でした。
 その日は、比較的軽症者の部屋を担当していました。午前中、担当していた患者様はやや活気が低下していたものの、特にバイタルサインは変わりなく経過していました。
午後から入院を受け、その処理に追われていた私は、「誰か来て!Aさん痙攣!」という先輩看護師の大声を聞いて、A様の元へ急いで駆けつけました。A様は60歳代、肺癌で入退院を繰り返しDNR取得している患者様でした。何度も抗癌剤による治療を自己中断しており、多臓器への転移がありましたが、ADLは自立しており退院を検討している時期でした。
午前中はあんなに元気で笑顔で話しかけてくれたA様が急変していると聞き、とても驚きました。私は、受け持ち患者様の急変に初めて遭遇し、何をしていいのか全く分かりませんでした。先輩看護師は大声で他のスタッフに助けを呼び、医師に急いで情報を伝えました。また、それぞれの看護師が静脈路の確保や、記録、バイタルサインの測定などの行動しているそばで、私は動揺し、その場でただその状況を見ていることしかできず、 呆然と立ち尽くしているだけでした。
何もできなかった自分にとても無力感を感じました。検査の結果、急変の原因は脳転移の拡大によるものだとわかりました。後から振り返ると、あの時患者様の状態観察、モニター装着・酸素投与開始、検査出しなど、自分にも出来たことがいくつもあったと感じました。
 急変を早期に発見できなかったことは、私が患者様の病状の理解や急変の予測を十分に行えず、比較的軽症の部屋であるという先入観を持って業務にあたっていたこと、また、入院処理業務等を理由に受け持ち部屋の訪室がおろそかになっていたことが原因と考えました。
 今回の出来事を通して、受け持ち患者様への責任感をもっと強く持たなければいけないと深く反省しました。急変にいち早く気づくために、疾患についてもっと学習すること、また起こりうる合併症を予測出来るように普段から観察をおこなうこと、そして周囲への呼びかけが重要だということを学ぶことが出来ました
 私は、今回の急変では何も出来ませんでしたが、別の事例での急変時には、胸骨圧迫等の処置を行うことが出来ました。まだ、急変の際には緊張しますが、出来る事を少しずつ増やし、急変時の対応が行えるようにすることを今後の課題にしていきたいと思いました。

実地指導者 原園 貴志
        経験を重ねていくこと
 看護師として、社会人としての第一歩を一年間乗り切りましたね。お疲れ様でした。
入職したての頃は、たくさんの緊張や不安を抱えていたことと思いますが、森くんは、あまり感情が表情や言葉に出ず、声をかけると「はい、大丈夫です。」といつも答えていましたね。
私の勤務上すれ違い多く、この一年の看護を通して、困惑したことも多々あったことでしょう。しかし、一言も弱音を聞くことはありませんでしたね。 
 今回の事例でも、とても困惑し、何もできなかった自分に悔しい思いがあったと思います。
そのときに感じた、知識不足やアセスメント不足を痛感した経験が、森くんの今後の成長に繋がっていくことになると思います。誰しも未経験のことには対応できません。例えベテランの看護師であっても、未経験の処置や症例には困惑するものです。そういった経験の積み重ね、小さな失敗と成功の積み重ねから看護感は磨かれていくものと思っています。
 幸い、内科病棟では様々な疾患の患者を診る機会があります。その中で、学習をすすめて知識を身に着けることで、患者に起こり得る予期せぬ事象を予測する力がついてくると思います。あとは、たくさんの経験を積み重ねていくことで、少しのことでは動じず、冷静な患者対応ができるようになってくると思います。
一年間、実地指導者として関わらせていただき、こちらも大変勉強になりました。
森くんの今後の活躍に期待しています。

7東病棟師長 太田 千穂
         経験を活かすこと
 
森さんが入職して、一年が経ちました。慣れない環境の中、覚えることがたくさんありましたが、入院の受け入れに関しては、誰よりも早く手順を覚え、他の同期に教えられるほどでしたね。
頼もしいと思いました。このように、一つひとつできることが増えていきましたね。
 今回の症例は、初めて受け持ち患者様の急変に遭遇し、しかも退院を検討していた、状態の安定していた患者様の急変であり、かなり動揺しショックを受けたことと思います。しかし、今回の症例を通して、どのようにすればよかったのか、しっかり振り返り、自分の課題を見つけることができました。どんなに状態の安定している患者様でも絶対に急変しないということはありません。
「何かがいつもと違う」という患者様の少しの変化に気づけるようになってほしいと思います。そのためには、疾患などの学習を重ねること、日頃から患者様をよく観察することが必要です。
 次の急変の場面では今回の経験が確実に活かされ、成長を感じました。これからも多くの経験を重ね、大きく成長していってほしいと思います。これからも一緒に頑張っていきましょう。

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新人看護師 盛永 実沙
        初めての急変時の対応
 入職して9か月を過ぎたある日、胆嚢炎を併発されていた患者様を受け持った。その日に経皮経肝的胆管ドレナージ術が行われることとなり、私は、先輩看護師A(以下、Aさんとする。)とともに処置介助に付いた。処置終了直後、私は患者様に軽い振戦があることに気付き、そのことをAさんに伝え、医師へ報告した。すると、医師から「疼痛によるものだろうから鎮痛剤いってね。」と指示を受けた。病室に戻るまでの間、振戦はどんどん大きくなっていた。
 
この時私は初めて見る振戦に戸惑いを感じながらも、医師に言われたように鎮痛剤を投与すれば治ると思い“それまで様子を見てから先輩看護師に相談しよう”と思っていた。
病室に着き、Aさん、先輩看護師B(以下、Bさんとする。)と患者様をベッドに移乗した。
Bさんが患者様の異常に気付き、「いつからこうなっているの。呼吸がおかしいよ。」と言った。
その声に私はハッとし、頭が真っ白になった。振戦ばかりに気を取られて、チアノーゼや喘鳴、意識レベルの変化に気付いていなかった。Bさんの言葉で振戦ではなく悪寒戦慄だったことに気がついた。
私は、すぐにBさんに処置中から帰室までの経緯を伝えた。
 その後救急カートを持って周囲の先輩看護師も駆けつけてくれた。先輩看護師がすぐに医師を呼び、酸素投与や薬剤投与などを行った。事態をただ茫然と見ていることしかできなかった私は、アドレナリン投与を指示する医師の声で我に返った。その後は、医師がアドレナリンを筋肉注射し、患者様はナースステーションに近い部屋へ移動した。血圧が低下していたため点滴負荷を行い、その後悪寒戦慄は軽減、血圧は上昇し意識レベルも改善してきた。
 
今回の事例は、胆嚢炎による敗血症を起こしている状態であった。私は、悪寒戦慄には気付いていたものの、チアノーゼや喘鳴等を見過ごしていた。気付いていた悪寒戦慄についても、医師からの指示を受けた後は「指示通り鎮痛剤を投与すれば大丈夫だろう。」と思い込んで深く追及することをせず、状態の観察と的確な報告できていなかった。
 
この体験を通して、改めて患者様の疾患についての知識と治療・処置の方法、予測される合併症を把握せずに受け持っていたことを反省した。そのため、急変に気づけずその後の対応に繋げることが出来ていなかった。今後は、疾患について学びを深めて理解し、内科病棟でよく行われる処置については手技や正常な経過を知り、予測した看護が出来るようになりたいと思った。

実地指導者 前川 ともみ
        気付く事、考えることの大切さ
 盛永さんが入職し1年が過ぎましたね。初めのころは面談で看護について聞いた時に、「よくわかりません」と言ったことがあったり、臨床の場では自分の思いが上手く伝わらない時もあり、失敗した時など悔しくてよく泣くこともありましたね。1年間多くの経験を重ね、患者様やそのご家族と接したことや先輩方からの指導をもらいながら少しずつ成長してきたかなと思います。
 今回の症例では、他に担当している患者様の事も考えながら慣れない検査介助の事で、緊張や焦りなどがあったのかなと感じました。疾患の事や患者様全体像をとらえて、自分が直接観て・触れて・感じたことをアセスメントして行動するためには、まずは学習を深め理解すること、気付いた事を先輩看護師に報告・相談して看護していく事が重要だと思いました。
 内科病棟では、高齢・認知症のある患者様も多く自分で訴えることが困難な方ばかりです。些細な事でも患者様からのサインを見逃さず、そこから何が予測されるか考える事が出来る看護師へ成長して欲しいなと思いますし応援しています。一緒に頑張っていきましょう。
1年間お疲れ様でした。

7東病棟師長 太田 千穂
         成長した一年
 盛永さんが入職して一年、月日の経つのは早いものだと感じています。
看護師として社会人として一年目で、患者様の命を預かる看護師の責任の重さに押しつぶされそうになり、この一年を乗り越えられるだろうか、と心配した時期もありました。
しかし、この一年、さまざまな患者様と向かい合う中で、多くの指導を受け、多くの経験を積み、入職当初より大きく成長してきたと思います。よく頑張りましたね。
 
今回の症例も、初めて患者様の急変を目の当たりにして、突然のことに驚き、どのように動いたらいいのかわからなかったと思います。しかし、この症例の振り返りをしっかり行うことで、自分に足りなかったものは何なのか、これからの課題を見つけることができましたね。この他にもさまざまな看護の場面で、実地指導者はじめ先輩看護師と振り返りを行ってきました。きっとこの振り返りが、盛永さんの成長につながり、次に活かすことで成功につながると思います。
 
盛永さんのいいところは、素直に指導を受け入れられるところだと思っています。これからもたくさんの知識、技術を吸収して、さらに大きく成長することを期待しています。これからも一緒に頑張っていきましょう。

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新人看護師 古里 綾香
        患者様の苦痛に気付くことの大切さ
 看護師として入職し1年が経ちました。内科病棟で働き始めて1年目の終り頃から重症度の高い患者様の受け持ちする事が多くなり、自分の行っている看護やケアに対しての責任感や重症度の高い患者様を受け持つ嬉しさと緊張感を日々感じています。
 
この1年間色々な患者様と接する中で、A氏という患者様との関わりが一番印象に残っています。A氏は70代男性で1月に間質性肺炎疑いで入院されました。ステロイド治療を行い、症状が改善して自己血糖測定が行えるまで回復されたためリハビリ目的でトランスされました。
しかし、退院1週前に呼吸困難が出現して、突発性肺線維症の急性増悪にて再度当該病棟へトランスとなりました。
A氏は呼吸状態が悪くネーザルハイフローを使用していましたが、呼吸状態が安定せず日に日に悪化している状態でした。ある日の日勤帯でA氏の受け持ちをした時の事です。夜勤帯から下顎様呼吸であり、FIO2100%にしてもSPO270%台 JCSⅡ~Ⅲ桁台で意識レベル低下も見られていました。バイタルサイン測定時に、「Aさん分かりますか。」と声をかけると「はい。分かります。」とはっきりとした口調で返答があったため「あれ?意識レベル戻ったのかな。」と思いリーダーに状況を報告しました。他の先輩看護師から、「苦しくてもがいている状態だよ。レベルが戻ったんじゃないよ。」と言われました。するとリーダーが「麻薬の指示が出ているから開始しなさい。」と指示があり、モルヒネを開始しました。
 
A氏の周りには沢山の御家族が常に付き添っておられ、A氏を見守りながら声を掛けたりしておられました。モルヒネを使用してしばらくすると、A氏の表情や呼吸が穏やかになり「ありがとう、ありがとう」と言われました。そして、御家族と会話している様子を見て、麻薬を使って苦痛を緩和出来て良かったと思いました。御家族も「苦しいのが取れて良かった。」と安心された様子でしたが、奥様は目を赤くされていました。今まで気丈に振舞っていた奥様の様子を見て、どのように声をかけてよいのか分かりませんでした。私は頻回に訪室して、A氏が差し伸べる手をさすることや、声を掛けたりすることしかできませんでした。 
その後オムツを交換するだけでもSPO2が30%台まで低下する状態が続き、次の日に、御家族に見守られながら永眠されました。
 
A氏との関わりを通して、患者様の苦痛に気付いてもう少し早く対応できていたら、患者様や御家族の苦痛が軽減できたのではないかと思いました。自分に余裕がなかったため、いつ急変するか分からないA氏に寄り添っている御家族に対して、声を掛けたり共感することが出来なかったこと、A氏や御家族が悔いのない最期を迎えられるように、サポートをできなかったことが心残りでした。内科病棟では呼吸器疾患の患者様が多いため今回の体験と反省を活かして、患者様の苦痛に早く気付き、適切な対応をして御家族や患者様の思いを少しでも受け入れられるような看護師になりたいと思います。

実地指導者 中島 みどり
        1年を振り返って
 内科病棟に入職し、早くも一年が経ちました。
初めは覚えることがたくさんで慣れない業務を一つひとつクリアし、少しでも早く覚えようと必死で頑張って取り組んでいた姿を思い出します。私自身、直接かかわることは少なく、指導はできませんでしたが・・・。
この一年でたくさんのことを学び、先輩方の指導を受けながら成長できたと思います。
 
今回の症例では、患者様とそのご家族と接する中で、退院を前に状態が悪化し、最期を迎える患者様に対し、どのような看護・ケアが必要なのか、関わりの難しさを実感でき、よい経験になったと思います。
 
毎日忙しい業務の中ですが、初心を忘れず、ゆとりを持ち、これから先いろいろな患者様・ご家族と接する中で、寄り添った看護ができるように頑張ってください。

7東病棟師長 太田 千穂
         患者様やご家族との関わりから学ぶこと
 早いもので古里さんが入職して一年が経ちました。二年目になり、少しずつ重症患者の受け持ちもすることも増えてきました。一年経ったとはいえ、まだ毎日が緊張の連続であると思いますが、毎日のたくさんの経験の積み重ねで、少しずつ成長していっていると感じています。
 
今回の症例は、最期を迎える患者様とそのご家族との関わりについて書かれています。苦痛を訴え古里さんに手を差し伸べる患者様に対しては、頻回に訪室し、手をさすったり、声かけをしたりしかできなかった、ご家族の気持ちを傾聴することができなかった、と書かれていますが、それは、古里さんが患者様やご家族の立場に立って、自分にできることはないかと必死に考えた結果の行動であると思います。どのような関わりが必要だったのか、何ができたのか、その答えは難しいですが、その気持ちに寄り添い、何を望んでいるのかを汲みとることができたら・・・と思います。
 
最後に古里さんは、一つのことに集中すると、周りのことが見えなくなってしまう傾向にあると思います。気持ちに余裕がない時は、一呼吸おいて次の行動に移してみましょう。
これからも一緒に頑張っていきましょう。

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新人看護師 大窪 沙弥佳
        終末期患者様との関わりを通して
 入職して1年が過ぎました。
これまで多くの患者様と出会った中で最も印象に残っているのは肺腺癌による末期の患者様です(以降A氏とする)。A氏は69歳男性、化学療法目的で入退院を繰り返していました。今回は肺炎を併発し再入院となりましたが抗菌薬の点滴治療を行い改善しました。しかし肺腺癌は進行していて、徐々に呼吸状態が悪化し酸素療法が開始となりました。前回の入院で気管支まで腫瘍増大があり、腫瘍焼却術後ステント留置を行っているため定期的にネブライザーを実施していました。しかし、徐々に喀痰喀出が困難になり、主治医から去痰困難時は定期以外でもネブライザーを実施の指示がありました。
 
ある日、A氏のもとへ検温に行くと「痰が出しづらくて喉は痛いし、血の混ざった痰がでるよ」と訴えたため、先輩看護師へ相談しました。先輩看護師から「A氏は気管が狭いからこの間も気管を広げる手術をしているよね。痰が出しづらいのであれば指示通りしないとA氏が苦しいよね」と助言があり、A氏に「決まった時間にネブライザーを実施していますが、痰が出しづらい時は時間まで待たなくてもネブライザーを使ってもいいですよ。苦しいのは辛いですから」と伝えました。その時までA氏に対して話しかけづらい患者様だと思っていたため「しない」と拒否されるのではないかと思っていました。しかしA氏は「ありがとう、お願い」と言い笑顔を見せて下さいました。
 
この出来事をきっかけにA氏の部屋持ちになるとA氏自ら体調を詳しく話してくださるようになりました。日中付き添っている妻から「今日はあの人が担当じゃなかった。明日は担当かな」と話していたよと聞きとても嬉しかったです。徐々にA氏の呼吸状態は悪化して、医師から妻へ癌が進行していること、延命治療をどうするかについて説明がありました。妻は受け入れてはいても頑張って生きていてほしいという思いがありました。家族間で話し合った結果は、緩和方針となり塩酸モルヒネが開始となりました。「苦しい」と言っているA氏の姿を見ている妻の思いや「頑張ったね」と声を掛けている姿をみていると「ありがとう」と笑顔をみせてくれたA氏のことを思い出し、A氏や妻に声を掛けることができなくなってしまいました。その2日後、A氏はご家族の見守るなか永眠されました。 今回の事例を通して、終末期の患者様やご家族に対してどのように関わればよかったのか悩みました。また悪化していくA氏へ言葉が見つからず声を掛けることができませんでした。しかし、寄り添い、共感することでA氏と向き合うことができたのではないか思います。未だに状態が悪化していく患者様の姿やご家族の思いを考えると上手く関わることができませんが、逃げないで向き合うことが少しずつできるようになりました。これからは患者様やご家族が何を苦痛に感じているのかを考え、援助できる看護師に成長していくと共に、今後も笑顔を忘れず患者様との関係を築いていきたいと思います。

実地指導者 伊集院 一樹
        1年を振り返って
 1年間本当にお疲れ様でした。
初めは2か月入職が遅れたこともあり不安でいっぱいだったと思います。私の第一印象は笑顔が素敵な元気な子だなと思いました。面談の中で他の新人看護師より遅く入職しているから頑張らないと、と焦っている姿や、仕事が上手くいかず悔し涙を流していたことを覚えています。
 この一年の中で沢山の事を学び、いろいろな経験を積み成長してきたと思います。
その中で終末期の看護の難しさ、患者様やご家族との関わりの難しさについて学ぶことが出来たと思います。僕自身も緩和ケア委員であり、患者様やご家族との関わりの難しさや、どのようにしたら患者様やご家族の希望に沿って看護が提供できるか日々悩みながら業務をしています。
 ナイチンゲールの言葉で「子を失う親のような気持ちで、患者に接することの出来ない、そのような共感性のない人がいるとしたら今すぐこの場から立ち去りなさい」という言葉があります。業務が忙しく大変だと思いますが初心を忘れずに患者様に寄り添った看護が提供できるよう一緒に頑張っていきましょう。

7東病棟師長 太田 千穂
         初心を忘れずに
 看護師1年目が終わりました。
他の新人看護師より二か月遅れのスタートで、きっと誰よりも焦りや不安でいっぱいだったと思います。しかし、入職当初はそんな不安を感じさせることなく、元気で明るく前向きで、笑顔を絶やさず患者様に接している大窪さんを見て、すごいなといつも感心していました。
 
終末期の患者様との関わりで、どのように関わればよいのか、と考えると足が遠のいてしまいがちですが、患者様やご家族が何に苦痛を感じているのかを一緒に考え、その気持ちに寄り添うこと、向き合うことが大切であることを学ぶことができましたね。「話しかけづらい」と感じる患者様であっても、患者様の立場に立ってその苦痛をどうしたら少しでも和らげることができるのか、患者様やご家族とともに考えてみること、それがきっと患者様との信頼関係を築いていくものと思います。       この1年、先輩看護師から指導をされる中で、厳しいことも言われ、落ち込んだことや悔しい思いをしたこともあったと思います。しかし、それは大窪さんに成長してもらいたい、看護師として部署の仲間として一緒に仕事をしていきたい、そのような先輩方の願いが込められていると私は思っています。その気持ちを忘れずにいてほしいです。これから先も、さまざまな壁にぶつかることもあると思いますが、そのような時には、入職当初の気持ちを思い出してください。あの時の強さがあれば、きっと乗り越えていけると思います。
一緒に頑張っていきましょう。yjidfmage (1)

次回は(7階西病棟:内科)に所属する 
3名のナラティブ報告を紹介いたします

    お楽しみに!!!

2018年7月6日金曜日

第8回ナラティブ報告会(6階西病棟編)

今回、6階西病棟 外科呼吸器外科口腔外科消化器外科に所属するH29年4月に入職した4名が、この1年間で心に1番残った患者様や、ご家族との関わりについて報告致します。

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      (写真はクリックすると、すべて拡大します
     写真が鮮明に見えますので是非、お試し下さい。

6階西病棟 外科呼吸器外科口腔外科消化器外科

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6階西病棟
新人看護師 東條 さやか
        「終末期の患者様・家族に対する看護の姿勢
 看護学校を卒業し社会人としても看護師としても、1年目が過ぎようとしている。
入職当初は、患者様との関わり方や自分の看護感について悩み、不安に思う事も多くあったが日々の業務の中で患者様自身に元気をもらう事も多かった。
そんな中印象深く覚えている1人の患者様がいる。
 その患者様は、A氏。A氏は、大腸癌末期の方で入退院を繰り返していた。私が入職した頃入院し、オキシコンチンやレスキュー薬で疼痛コントロールをしていた。日中は、車椅子で移動しており、同室患者様といつも明るく話をしたり廊下を散歩されたりしていた。A氏の奥さんも明るい方で、私がA氏と同じ出身地であったため会うと声をかけて下さったりしていた。
その後、病状も軽快し家族も自宅での介護を希望されていたため自宅退院となった。
退院後A氏は、外来受診時は病棟へ車椅子で来られ、近況など色々な話をしてくれていた。
 退院してから2か月程経ったある日、A氏が病棟へERより緊急入院されてきた。その時のA氏はレベルも低下しており自分では起き上がれないまでADLが低下していた。尿道留置カテーテルも挿入されオキシコンチンも増量となっていった。A氏の奥さんは毎日面会に来られ「ごはんだよ」「大丈夫」と励まし声をかけていた。ある日、私に「やっぱり最後は家じゃなくて病院でお世話になるのかな」と話された事を今でも覚えている。A氏は入院期間が長くなるにつれ呼吸状態も悪化していき主治医よりDNRの話もあった。家族は涙を流しながら聞いていた。更に呼吸状態は悪化しリザーバーマスクでの酸素投与となり意識レベルの低下も著名であった。
 私も時間が空いた時はA氏の部屋に行き、奥さんの話を聞き、声をかけたしていた。
私が遅出業務であった日準夜帯に心電図モニターのアラームが鳴りA氏のモニター波形はVF。
その後すぐA氏の部屋のナースコールが鳴り、部屋に行くと奥さんが「しっかりして。目を開けて」と叫ばれていた。家族に見守られA氏は亡くなった。今まで見取りの時に合う事もあったが、最後までA氏と共に闘病した奥さんが「ありがとう」と涙を流し話しかける姿を見てとても悲しく、奥さんに「今までお世話になったね」と言葉をかけられた時は返す言葉に詰まってしまった。
涙を堪えて挨拶する事しかできなかった。しかし、A氏とA氏の家族から、家族みんなで病気と闘う絆や看護師としての関わる姿勢・自分の看護感は何か気づく事ができた。
 看護師は、患者様より「ありがとう」と言葉・笑顔をもらい、自分まで元気をもらう事も多くあるが、患者様に最期に寄り添うことも多くある。患者様・家族の闘病での苦しみをくみ取って関わっていくのは難しいかもしれないが、少しでも精神的な支えとなれるような、自分にできる看護・関わりをしていこうと思う。

実地指導者 山野 望
        「1年を通して
 まず、初めに1年間お疲れ様でした。公私ともに色々あった年でしたね。
初めて会った東條さんの印象は、小さくてうさぎみたいで、病棟でそわそわしており大丈夫かな?と思っていました。実際、患者様の所に行く際、不安そうな顔をしながら患者様の元に行っているのを見て、患者様と上手く接する事が出来るかなと思っていましたが今では、病棟や患者様に慣れて素敵な笑顔を見る機会が多くなり良かったと思います。
 東條さんの患者様への対応を見ていると、丁寧で言葉かけも優しく、これからも続けてほしいです。でも、不安なことなど少しでもあると不安な顔をしながら聞きに来ますね。不安なことをすぐ聞けることはとても良いことですが、患者様の前では笑顔で自信を持って対応出来るようにしましょう。テーマでもある終末期の患者様への対応ですが、外科病棟は手術をして元気になり、退院する患者様が多い一方、癌の終末期による徐々にADLが低下していかれる患者様もいます。
 その中で1年目で看取りの場面を見せてもらう事が出来て良かったと思います。
私も終末期にあたる患者様やその家族の方に対する声掛けはとても難しく、正解はないと思います。1年がやっと過ぎ、少し安心しているかも知れませんが、東條さんがいつまでも学ぶ姿勢・考える事は大切ですので頑張っていきましょう。

6西病棟師長 山下 朋子
         「今の思いを忘れずに
 目に涙を浮かべ、私の前に来ることが多かった東條さん。
この前、入職したと思っていたのに、あっという間の1年間でしたね。
 今回、東條さんは、心に残った症例として終末期の看護の関わりを述べてくれています。
ご家族みんなで病気と闘う絆や、看護師としての関わる姿勢・自分の看護観は何か気づく事が出来、患者様・ご家族の闘病での苦しみをくみ取って関わっていくのは難しいかもしれないが、少しでも精神的な支えとなれるような、自分に出来る看護・関わりをしていこうと思うと述べてくれています。東條さん自身が今年は、A氏の家族と同じ境遇に遭いました。終末期患者様の家族の経験をしましたね。悲しい思いを経験しました。その時の思いが、今も心にあるのではないでしょうか。
最近の東條さんの看護の姿を見ていると、患者様やご家族と良く話をしており、対応の仕方も優しさが伝わってきます。成長したなと思います。
 2年目を迎え、これからも色々な経験をすると思いますが、先輩達が今以上に心の支えになってくれているなと感じることが増えてきます。日々、感謝の心を忘れずにしましょう。
まずは、1年間お疲れ様でした。これからも宜しくお願いします。

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新人看護師 黒原 航太
        「数回の手術を行った患者様との関わりを通して
 入職して約一年が経ち、まだまだ覚える事が多く、業務をこなすことに精一杯の日々が続いる。その中で印象に残っている出来事がある。その患者様は、直腸癌によりストマ造設予定での入院。もともと、ADLフリーで、手術の対して否定的だったが家族の方などの周りの説得もあり手術を決断した患者様だった。しかし、手術後は疼痛による食欲不振、旧肛門部の壊死による数回のデブリードマン・VAC療法を行い、長期臥床からADL低下。
さらに、ストマの閉塞があり、現在あるストマを閉鎖し、新たなストマを造設する手術施行したが完全に閉塞できずに、ストマが二つになるという状態になってしまった。そのためか、普段は優しい患者様もストレスが溜まり、治療で仕方がないこと、医師や看護師、他職種が病気治そう状態を良くしようとしていることを理解されているが声をあげることがあった。
 私は、永久ストマ造設を行う患者様も、このようにストレスが高くなってしまった患者様をプライマリーとして受け持つのは初めてのことだった。しかし、様々な治療や重症下のリスクもあったため、日々の仕事で受け持ちになることが少なく、どのように関わりを持てば良いのか迷っていたが、とりあえず患者様の所に行かなければ何も始まらないと思い、業務の合間や残業のようになってしまうが業務終わりに患者様の所に赴き、患者様の調子を聞き「また来ます」という日々が続いた。
 そんな中、受け持ちになったときに患者様の表情を見て、いつもより調子が良いと感じたので車椅子に移乗させ出来れば病棟内を散歩させたと思った。車椅子に移乗させた後にその患者様が「他の階に友達が居るから会いたい」と話された。その日は私も忙しく、フリーの看護師も忙しく働いていた。タイムスケジュール通りに業務を行うためには、連れていけないことを説得することが正しいかも知れないと思いつつも、患者様の調子が良く、普段あまり欲求を言われないにも関わらず話してきたことを考え、その友達の方に会いに行くことにした。
少しの時間しか滞在することができなかったが患者様は喜ばれていたので、時間があるときにもう一度会いに行きたいと思った。数日後に患者様の所に赴くと「この前、あんたと会った○○さん亡くなったよ。あの時会えて良かったありがとう」と言われた。もう一度会いたいと思っていたので、悔しい思いと連れて行って良かったと思った。
 今回の患者様との出会いで、どんなに忙しくても、患者様の要求を自分勝手な要求と受け止めることや、できないと判断するのではなく、患者様の要望が実現できる方向を探っていくことが大切と感じた。今後、この経験を活かし看護を行っていきたいと思う。

実地指導者 金山 舞
        1年間を振り返って
 入職して1年が経ち、この1年間様々な経験が出来たのではないかと思います。
お疲れ様でした。入職しはじめた頃は内気な性格であまり思った事を口にしない人だと思っていました。実地指導者として関わっていく中、思春期の息子と話すみたいにぎこちないコミュニケーションしかとれず、日々の面談の時もあまり会話が続かなかったのを覚えています。
 黒原君は日々の業務の中で、忙しくても丁寧に対応しており、その姿には感動していました。
患者様や職員に対しても優しく対応する姿はこれから新しく入職してくる新人看護師へと受け継がれていけば良いなと思っています。
 プライマリーであったT氏は、長い入院期間で数回にわたる手術もあり、不安やストレスなど様々な心境であったと思います。看護師に思いをぶつける時期があったり、活気がなくあまり話をすることがない時期などもありましたが、めげずに関わっていき患者様の事を思い行動出来た事で今回のような経験が出来たのではないかと思います。
 今、1人で出来る事も増えてきて自信へと繋がっていっているのではないかと思います。
指導した事もすぐ吸収出来ると思うので、これからも日々向上していって下さい。
これからの成長も楽しみにしています。頼りない実施指導者でしたが、1年間有難うございました。

6西病棟師長 山下 朋子
         「みんなの支えに感謝
 黒原君の最初の私の印象は、おとなしい子だな、話が出来るかなでした。
予感は、的中し入職して数カ月間、黒原君は、コミュニケーションと社会人のルールという言葉にいっぱい悩まされましたね。数カ月は、毎日、私やスタッフ全体で黒原君と面談をして、話をしましたね。私が怒ることもありましたね。指導され辛かっただろうけど、黒原君は、毎日ちゃんと勤務にきて、気が付いたら私の側に立ち、何か言いたそうにモジモジしている姿がありましたね。
そんな黒原君が、いつの間にか、大きな声で挨拶が出来るようになっている事に、私とスタッフ達は気づきました。患者様の視線に合わせ一生懸命に会話をしている黒原君がいる事に気づきました。黒原君は、確実に成長している事に嬉しかったことを覚えています。
 その頃、この症例の患者様に、黒原君は関わることになりました。看護師に思いをぶつける時期があった患者様の要求を自分勝手な要求と受け止める事や、要望に出来ないと判断するのではなく、患者様の要望が実現出来る方向を探っていく事が大切と感じてくれました。
すばらしい気づきですね。この成長は黒原君の努力はもちろんですが、実地指導者をはじめ、スタッフの協力があったからですね。みんなの支えに感謝して、これからも一緒に頑張りましょうね。
 これからも宜しくお願い致します。

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新人看護師 文田 裕乃
        プライマリー患者様との関わり
 入職し1年が経過し、私は、多くの方々と出会い、様々な経験を行うことが出来た。
その中でも1人の患者様との関わりが強く残っている。
入職し、約半年が経過した頃、腸管穿孔を起こし救急搬送後、ハルトマン手術が行われた患者様(以下、A氏とする)が、ICUより病棟に移動となった。その際に私は、受け持ちを行い、A氏のプライマリーを行うこととなった。術後は、認知症から点滴の自己抜針やオムツ剥がし、バルーンカテーテルの自己抜去などの危険行動がみられ、身体抑制が行われた。安全の保持のために行われている処置であるが、身体抑制により手足をばたつかせ「はずせ。」と大きな声を上げる姿を目にし、心が痛んだ。せん妄症状が落ち着いた際は、車椅子に移乗し詰所で過ごされていた。
 その時は、職員と会話をし、時には、冗談を言う様子をみて安心する気持ちとこのまま良い経過をたどってほしいという思いがあった。しかし術後、食事が開始となるが、38℃台の発熱が長期間続き、ストマ陥没による腹腔内の炎症がおこり、膿瘍ドレーンが挿入された。ADLの低下もみられベッド上に寝たきりの状態となった。
 また、難聴もあり質問に対しての返答がみられず会話が困難な状況であった。
私は、食事の際にA氏が少しでも食事がとれるよう、A氏の好むものから食べるよう順番を考慮したり、食事の種類を伝えながら介助を行うよう心掛けた。
日を追うごとに、A氏が衰弱する様子をみていくなかで、私自身も今後どのような経過をたどるのだろうという思いと、A氏に対し、私は、何もできていないのではないかという思いが続いた。
A氏の妻は、定期的に面会に訪れ「父ちゃん」と声掛けをし、食事介助等も行っていた。A氏の状態が変化している様子を妻は、どのような思いで面会されていたのか、どのように声掛けをしてよいかわからず、様子を見守ることしかできなかった。
 その後、入院してから約5か月が経過した頃に他病棟への移動が決定となった。
A氏が移動され数週間が経過した頃、A氏が亡くなったということを私は、知った。A氏と出会い、約5か月の間関わるなかで、先輩看護師より教えられた「プライマリーの方の顔を見に行ってね。」ということは常に心がけるようにした。日を追うごとに返答が少なくなっていったが、勤務の際は病室へ尋ね「Aさん、おはよう。今日は晴れているよ。」など何気ない声掛けを行った。私がA氏に対し行えた看護ケアは、少ないものであると思うが長期入院される患者様に対し、誠実な姿勢で関わり続けるということは重要なものであるということが今回の経験をとおし学んだ。
今後、関わる患者様に対して入院期間中は、特に病室を訪ね、誠実に関わっていきたいと思う。

実地指導者 岸上 奈央
        「1年間を通して患者様との関わりの大切さ
 入職して1年経ちましたね。1年間お疲れ様でした。
入職当時、緊張しながらも、皆に挨拶していたのを覚えています。文田さんは、「しっかりしないと。」と頑張っていて、声をかけると「大丈夫です。」と言うのが、口癖のように思いました。
そんな文田さんは、いつも一生懸命で勉強したり、積極的に患者様に関わっていたと思います。
 段々と受け持ち患者様が増え、出来る事も沢山できました。その中で業務の間やフリーの時に患者様に声をかけコミュニケーションを図っていました。少しずつ慣れた頃に術後の看護から、せん妄、そして看取りと経過を辿る患者様A氏と出会いましたね。
プライマリーとして「どうしたらいいのか。今後どうなるのか。」と沢山の不安を感じたと思います。
その中でも、文田さんが自分に出来る事を考え、日々接していたのを覚えています。
私達、看護師に出来る事は限られていますが、その限られた中で出来る事は私達看護師にしか出来ない事も沢山あります。それは、A氏を通して学ぶ事が出来たのではないでしょうか?
どのように声掛けをして良いか分からず、世間話をしても見守っている事しか出来なくても、患者様やご家族にはその気持ちが伝わっていたと思います。
 この1年で、私自身も沢山の事を思い、「看護とは。」と考え共に学ぶ事が沢山ありました。
患者様はそれぞれの疾患、痛みや不安を抱え入院しています。患者様・ご家族に寄り添いながらも自分の中の「看護」を忘れずに接していきましょう。1年間、お疲れ様でした。
そしてこれからも一緒に学び、頑張りましょう。

6西病棟師長 山下 朋子
         「一歩一歩の力
 毎日コツコツ仕事をしている文田さん。
A氏のプライマリーになり今回、多くの事を学びましたね。患者様とご家族は不安の中で入院生活を送っています。私達の一言や行動・表情が力にもなり、力を奪う事もあります。
A氏との出会いは、文田さんの心に多くのものを残してくれましたね。「誠実な姿勢」が大切だと感じた事は、本当に良かったと思います。文田さんが看護をする姿をみていると、患者様に寄り添い、丁寧にお話ををしている所を見受けます。素晴らしい事です。
文田さんは、しっかり者だねと良く言われます。本当は、責任感が強すぎて人にいっぱい気を遣う文田さん。自分がいっぱいいっぱいなのに、同期の面倒を見たり、もっと頑張らないとと自分を追い込む事がありましたね。話をする中で、涙もいっぱい流しましたね。
 でも、そのことが1年を通して成長に繋がりました。日々、ニコニコ笑顔の文田さんと患者様とのエピソードを嬉しそうに報告してくれる姿を見ていると、とても嬉しく思います。
今後も、先輩達に支えられながら、一緒に頑張っていきましょうね。
 1年間お疲れ様でした。これからも宜しくお願い致します。

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新人看護師 俣 雄也
        「家族の入院を通して

 看護師になり1年が経ち急性期病棟で多くの患者様と出会いさまざまな分野で学びを得てきた。また、この1年忘れることのない体験もできた。特に刺激を受けたエピソードは祖父の入院がきっかけであった。病院に勤めて9ヶ月になったある日、祖父が発熱と悪寒戦慄、気分不調を訴え救急搬送された。総胆管結石に合わせ敗血症の兆候もみられ重篤な状態にあった祖父はそのままICUに緊急入院となった。緊急入院となった祖父は高熱と悪寒もあり、ぐったりした様子で点滴やNGチューブなどが入れられた重篤な状態であった。
その日のうちに抗生剤の投与や様々な検査と治療が開始された。突然のことであり頭の片隅で祖父のことを考えながら過ごす日々が続いた。その後、自分の勤務する病棟へ移動となり、リハビリの介入や食事の開始など日に日に状態はよくなっていった。
 看護師として勤めていると同時に、患者様の家族という立場を体験した。可能な限り休日や帰る前に祖父の元へ顔を出し面会するようにした。面会を重ねるごとに祖父の表情は穏やかになったように感じ、普段あまり話さない祖父から「わざわざありがとな」「来てくれて嬉しいよ」と声をかけてもらった時は患者様にとっての家族の大切さを感じた。その後、状態が安定し退院となった。
 3週間ほどの入院であったが、入院当初はベッド上での生活を余儀無くされていた祖父が独歩で退院する姿は新鮮であり印象深いものであった。この3週間様々な点滴や内服薬、検査が施され、状態回復へと移行する場面を目の当たりにしてきた。それぞれの治療に意味があることを改めて感じ、現在の患者様の状態把握、その状況にあった最善の治療が重要だと感じた。
今回の経験を通して、入院患者様の家族の気持ちや思いを身をもって感じることができたと同時に、業務に追われて患者様や家族の声に耳を傾けられていなかったことや気持ちに寄り添うことができていなかったことに気づかされた。今回の体験は自分にとっての反省点でもあり、貴重な体験を通して患者様、家族との関わり方を学ぶことができたと感じる。
 入院を余儀なくされた患者様の中には、救急搬送や疾病にと向き合う心の準備がままならずに入院となることも少なくない。そんな時に、病院という不慣れな環境の中で医療従事者である自分たちの関わりが大切だと思う。今回感じたことや経験したことを入院している患者様との関わりに活かせるように日々、業務に励
んでいきたい。

実地指導者 磯田 彩花
        「1年間を振り返って
 1年間、お疲れ様でした。桑俣君は、入職当時、緊張した様子だったので心配していましたが、病棟に慣れてくると同時に、いつも笑顔で患者様への対応も丁寧だったことが印象に残っています。
課題や振り返りのレポート以外に、「勉強したので確認をお願いしてもいいですか?」と提出してくれていましたよね。とても真面目な性格で、仕事も一生懸命頑張ってくれていたと思います。
 そんな中で、家族の入院がありましたね。家族のことは、私自身も受け持たせて頂きましたが重症だったので心配だったと思います。その中でも業務はいつも通りこなし、業務が終わると家族と面会していたことは家族にとって嬉しく、励みになっていたと思います。
 今回の経験は、桑俣君にとって家族との関わりの大切さを学び、色々考えるきっかけになったと思います。1年目は、業務をこなす事に必死だったかもしれませんが、2年目では患者様や家族への関わりをもっていけるようにしてもらいたいです。
 これからの成長を楽しみにしていますね。

6西病棟師長 山下 朋子
         「家族の大切さ
 看護師1年生となり多くの経験をしてきましたね。
1年間あっというまじゃなかったでしょうか。物静かでしっかり者で、いつも「大丈夫です。」ということしか言わない印象が強い新人看護師さんでした。同期の新人看護師が、月日が経つにつれ、泣いたり、辛いと話す中で、桑俣君は「大丈夫です。」と答えているものの視線を合わせない日々がありました。どうしたら話をしてくれるのかな?と心配をしていましたが、面談を重ねていくうち、しばらくしたある日、「辛い?」の問いかけに、黙ってコックリとうなずいた桑俣君を見て、気持ちを表現してくれた事と成長段階にいる事を実感し、私は、嬉しく思ったことを今でも覚えています。
 今回、桑俣君は、家族の入院という経験をしましたね。今回の経験を通して、入院患者様の家族の気持ちや思いを、身を持って感じる事が出来たと同時に、業務に追われて患者様や家族の声に耳を傾けられていなかった事や、気持ちに寄り添う事が出来ていなかった事に気づかされたとありますが、この思いは、とても大切な事です。とても貴重な経験をそましたね。
その気持ちは、ずっと忘れずにいて下さい。そして、今後の看護に繋げて下さいね。
そして、今後も先輩達に支えられ成長していきましょう。illust1064_thumb
これからも一緒に病棟を盛り上げていきましょうね。
宜しくお願い致します。

                  次回は、7階東病棟) 内科に所属する
                     4名のナラティブ報告を紹介します。

                            お楽しみに!!!

2018年6月26日火曜日

第8回 ナラティブ報告会(5階西病棟編)

今回5階西病棟循環器内科に所属するH29年4月に入職した3名が、この1年間で心に1番残った患者様や、ご家族との関わりについて報告致します。

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     写真が鮮明に見えますので是非、お試し下さい。

                              5階西病棟 循環器内科

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5階西病棟
新人看護師  立和田 優那
             急変時の対応を通して
 入職して約1年が経ち、多くの学びや経験をさせて頂いた。そんな中で、入職して9ヶ月が経った頃の忘れられない経験がある。
 その患者様は80歳代、女性のA氏。慢性心不全に対し強心薬や心不全治療薬の持続点滴中であった。その日、私はその患者様の受け持ちではなかったが、朝の申し送り後ナースコールがあり私が対応した。訪室するといつもと変わらない様子で話しかけてきたが内容は覚えていない。その位たわいもない会話をしたことは覚えている。
 休憩が終わり自分の受け持ち患者様の自己管理内服のチェックに回っていた時であった。
先輩看護師の「〇〇さんちょっと来て」という大きな声と共に病棟が慌ただしくなった。
私も何かあったのだと思い、人が集まっている方へ走って向かった。そこは朝ナースコール対応をしたA氏のいる4人(部屋であった。A氏はポータブルトイレに座った姿勢から前かがみに落ちた状態になったおり、病室の床には便失禁が多量に見られた。私は「朝、普通に話していたのに・・・」と頭が真っ白になりどうしていいかわからなかった。数人で患者様をベッドに戻し、先輩が意識、頸動脈触知の有無の確認を行い、心臓マッサージを開始したところをただただ見ていた。先輩看護師の「誰かアンビュー!」という声に我に返り、私がそのアンビューを手に取った。
アンビューの使い方さえもよくわからなかった私に、心臓マッサージをしながら指示を出して下さる先輩の言葉に「はい。」「はい。」と返事をし、必死にアンビューを押して呼吸管理を行った。
 主治医が駆けつけ気管内挿管し、心臓マッサージを行いながら個室へ移動して人工呼吸器を装着した。しかし、モニター波形はVF波形のままであり心臓マッサージは続けられた。
先輩から私も心臓マッサージを交代するように言われ、初めて患者様に心臓マッサージをした。
BLS講習はすでに受講しており人形では何回も練習していたが、その時とはまた違った感覚でありなんとも言えない気持ちになった。その後、患者様の状態が改善することはなくそのまま亡くなった。後にその日のA氏の受け持ちであった先輩に話を聞くとA氏は「なかなか便が出にくいのよね。」と言っていたそうだ。ポータブルトイレに移り、力んだ際に起きた事だったと振り返った。いつ、どんなことで急変するかわからないのだと思い少し怖くなったとともに、日頃の患者様の観察や日頃との違いに気付く事、又、訴えの傾聴などが大切なのだと学んだ。
 A氏の急変を経験した後にもこの1年で多くの急変を経験した。やはり急変時は怖くなるし、何をすればよいか迷いあたふたしてしまうのが自分でもわかる。しかし、その場を見渡し自分にも何か出来る事はないかと考える余裕は以前に比べ、少しだけ出来た気がする。
 今回の経験を無駄にせず、私にはまだまだ足りない急変時に必要な冷静な判断や対応力、技術を身につけていきたい。又、患者様やご家族の気持ちに寄り添うことも忘れずに看護を提供していこうと思う。

実地指導者 福満 寿子
           1年間の関わりを通して
 1年間、お疲れ様でした。立和田さんと初めて病棟であった時、キラキラした笑顔で「立和田です。お願いします。」と挨拶に来たことを昨日の様に思い出します。
1年間、本当に多くの事がありましたね。何度も心が折れそうになりながらも一生懸命頑張る姿は、私の励みにもなりました。今回の事例は私にも印象的な方でした。初めての急変で戸惑い、何をするべきか分からず、先輩の指示を待っているという事もあったかと思います。
しかし、急変がある時は救急カートを持ってきたり、先輩の動きを見るなど、1つでも多くの事を学ぼうとする気持ちはあったのではないかと思います。最近、受け持ちの急変があった際、「立和田さんがすごく動けていた。」「挿管の介助も出来ていた」と病棟の先輩より聞きました。
不安な中でも、1つでも学ぼうとする事で大きく成長出来たのではないかと思います。
2年目に入り、後輩も出来、夜勤も始まっていき不安もまだまだあるとは思いますが、1年目での学びを生かして、共に成長していきましょう。

病棟主任 福永 理恵子
          んで取り組むこと
 大きなカバンを背負って出勤するのは今も変わることはありません。
不慣れな一人暮らしを初めて、不安なことも多かったでしょう。
いつもニコニコして「大丈夫です。」と答えてくれます。
 1年前、病棟に配属になった初日、病棟の説明をしている時に詰め所前の患者様の急変でACLSを目の当たりにしたことがありました。1日目から刺激が強すぎたか・・・と私も反省しました。
それから9ヶ月後、突然患者様の急変で何も出来なかったと振り返り、病棟で行っているシミュレーション研修に参加し、アンビューバックの押し方、心臓マッサージの方法など、対応の仕方を少しずつ学びその成果が発揮出来るようになりました。
1年経った今では急変の時は救急カートを押し、自分から出来ることを探して急変時の対応が出来るようになってきています。何も出来ず指示を待っていただけのあなたは、少しずつですが自分から出来ることを探し、行動しようと変わってきています。少しの気付きや傾聴が大切な事を学ぶ事が出来ました。患者様のちょっとした変化に気付けるように、日頃の何気ない会話からでも引き出せるようになるといいですね。先輩達の良い所を吸収しながら、成長していって下さい。
2年生になっても笑顔を忘れず、自分が成長出来る看護が提供出来るように頑張りましょう。
 これからも応援します。

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5階西病棟
新人看護師 峯山 智江
            「こころざし(ナースへの道)
 A氏90歳代女性、慢性心不全にて入院中であった。A氏が入院してから2週間ほど経った頃、心不全の憎悪から呼吸状態が悪くなりナースステーションの目の前の部屋に移ってきた。
状態が日に日に悪くなるA氏を初めて受け持つことになった日の事である。朝のバイタル測定時からSPO2=80%、頻呼吸状態であり苦痛な表情を浮かべていた。酸素4Lカヌラ装着中であったが、SPO2の上りが悪く酸素10Lリザーバーマスクまで増量した。A氏は、苦しいながらも「〇〇ちゃんに電話をしたい。」と酸素マスクの中から必死に訴えてきた。苦しいはずなのにこんな状態でも電話を掛けたがっていた相手は、妹さんであった。妹さんはA氏の家の近くに住んでおり入院時から付添い、ほとんど毎日のように面会に訪れていた。
 電話を受けた妹さんはすぐに病院に駆けつけてくれた。妹さんはA氏が訴えることに対しどうしたらいいだろうと私に何度も相談してきた。私は受け持ち患者様のやらなければならない業務が残っており対応が疎かになっていたことは自分でも気づいていた。「ごめんね。忙しいのに何度も呼び止めて。」と妹さんが言われた。苦しむA氏に何も出来ず時間だけが過ぎて行った。
その日の業務終わり頃、記録を入力していた私に先輩看護師がA氏のSPO2が60%まで低下している事を伝えにき、一緒にA氏の病室に向かった。そこにはぐったりしたA氏の姿があった。すぐにリーダーから医師に報告しそのままNPPV装着となった。その後少しずつSPO2も上昇し、心の中でほっとする反面、記録に集中し患者様を気にかけていなかった事、自分の事しか考えられず行動していた事に、とても申し訳ない気持ちになった。その後も何度かA氏を受け持った。SPO2の値がいい時は酸素リザーバーマスクで過ごせる日もあった。しかし全身痛も出現し状態はあまり良くなかった。日々関わる中で、あの日の申し訳ないと感じているままではいけないと思い、A氏の訴えを尊重し看護を行った。手先が冷え疼痛のあるA氏に対し手浴を行った。
表情は苦しそうながらも「気持ちいい。ありがとう。」と言われた。その日は妹さんも来られており「ありがとう。」と言い「良かったね、気持ち良かったね。」とA氏に声を掛けていた。
 この時初めてありがとうとA氏と妹さんから言われた言葉は、今でも心に強く残っている。
その後もA氏の状態が良くなる事はなく家族に見守られながら息を引き取った。
その日A氏のエンゼルケアに入らせて頂いた。目を開けない、言葉を話さないA氏を目の前に今まで関わってきたことを思い出すと涙が溢れてきそうになった。A氏と出会い患者様に接する時の気持ちが変わったことは私にとても大きな成長となった。日々多くの患者様と関わる私達、看護師であるが一人一人の患者様に心から関わり、気持ちに寄り添い、相手の事を大切に思う事が看護であると考える。
 又、看護は家族にも提供されるものであり、私達にとっては大勢いる患者様の中の一人であっても家族にとってはかけがえのない大切な家族の一人である。
相手を大切に思い接していこうという気持ちや、この1年間で学んだ多くの思いを忘れずこれからも看護師として頑張っていきたい。

実地指導者 有村 梨奈
            「共に過ごした1年間
 1年間、お疲れ様でした。入職時から色々と質問してきてくれたり、分からない時は一緒に調べて考えたり、私自身も学ぶ事が多くありました。今回の事例は、私も印象に残っている患者様でした。
私も新人の頃、分からない事や覚える事も多く、自分の事で精一杯になっていた事を思い出します。この事例を読みながら、峯山さんが最初の日の関わりについて振り返り悩みながらも、その時患者様に出来る看護をしたのだなと感じました。「ありがとう。」峯山さんの思いが患者様や妹さんに伝わったからこそ頂けた言葉だと思います。
 入院が長くなるにつれ、身体的にだけでなく精神的なストレスも大きくなってくると思います。
今回の事例を通して患者様、ご家族を含めた看護について学ぶ事が出来ました。
この気持ちを忘れずにこれからも多くの患者様やご家族様と関わっていってほしいです。
社会人、看護師としての1年間、本当に大変だったと思います。実地指導者として初めて指導する立場になり、峯山さんには沢山迷惑をかけたと思います。
 こんな未熟な私でしたが頼ってきてくれてありがとうございました。嬉しかったです。
今年から2年目になりますが、悩んだり分からない時にはいつでも声をかけて下さい。
これからも一緒に頑張って行きましょう。

病棟主任 福永 理恵子
          患者様とご家族とのつながり
 入職してきた時、緊張しすぎて顔がこわばったあなたをどれだけ見た事か。
少しずつ病棟に慣れて、笑顔が見えるようになりました。
 循環器内科に入院される患者様は心房細動で入院されても、長期になると色々な疾患を併発する事も少なくありません。心不全の憎悪で呼吸管理のためにNPPVの装着を余儀なくされる事もあります。看護師にとって患者様やご家族との良好な人間関係は、質の高い看護の提供に不可欠だと言われていますが、新人の頃は余裕のなさや緊張から患者様の反応に十分な配慮が出来ず、自分の業務を優先させてしまいがちです。患者様の訴えとご家族の思いに対応出来なかった事に気づき、とても心が痛かったでしょう。患者様を尊重する事を学ぶ事が出来たのは患者様が気づかせてくれたからです。最後のケアが出来た事は、きっとあなたに看てほしかったのでしょう。涙が流れてもいいのです。1年経った今は、色々な事を並行して出来るようになってきました。多くの事を学び成長しました。
 困った時は一人で悩まず、先輩達に相談してより良い方法を見つけて下さい。
そして、患者様の思いに寄り添える看護が出来るように頑張りましょう。

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新人看護師 吉永 海
            寄り添う事
 入職して3ヶ月たった頃、僕はある一人の患者様と出会った。
A氏、90歳代、女性、慢性心不全の既往があり、A氏は心臓カテーテル検査をするために入院となった。A氏は心臓カテーテル検査を無事に終了したが、貧血傾向で輸血を施行した。
A氏は認知機能の低下があり、心電図モニターを外してはきれいにコードを束ねてベッド柵にくくりつけ、酸素カヌラを頻回に外したりする行為があった。A氏は寂しがり屋で輸血をしている時も「どこにいくの。」「もういくの。」という声が聞かれた。その日、A氏は僕の名前を覚えてくれた。
「海君、海君。」と呼んでくれたのがすごく嬉しかったのを良く覚えている。
A氏はその後、状態が安定し他の病棟にトランスとなった。
 その後、半年ほど経った頃、A氏は再び入院してきた。BNP3000代、慢性心不全の急性憎悪であった。僕はさすがにもう覚えていないだろうと思ったが、A氏に「僕の事を覚えていますか?。」と尋ねるとA氏は「海君。」と言ってくれた。A氏は入院後、心不全治療薬、強心薬の持続点滴が開始となった。A氏は依然と変わらない様子であり安心していた。ある日、A氏は急に意識レベルが低下し、声掛けに反応なくJCS Ⅲー200であった。僕はそれから毎日、仕事の終わりにA氏の元へ行くようになった。何をするわけでもなくただA氏に声を掛けたり、手を握ったりした。その2日後、朝出勤すると夜勤の先輩看護師から、A氏が起きていると聞いて僕はすぐに会いに行った。
するとA氏は依然と変わらない様子に戻っていた。A氏は僕が朝会いに行くと「あら、海君ね。来てくれたの。」と言われた。僕は毎日欠かさず仕事終わりにA氏に会いに行くという日課が出来た。
A氏の食事介助をしたり、話したりする事しか出来なかったが少しでもA氏が元気になってくれればと思っていた。その後もA氏は1日起きては何日か眠って反応がないという日々を過ごしていた。
 点滴を流量しても肺うっ血、BNPの改善はなくA氏は日に日に体力が低下していった。
以前なら心電図モニターや酸素を外したりする行為があったが、その行為も見られなくなっていた。それでもA氏は僕の事を待っていてくれて、ナースコールで「海君を呼んで。」、先輩からは「お前の事をずっと呼んでいたぞ。」と聞いた。
 ある日、久しぶりに僕はA氏の受け持ちになった。A氏は何日も前から昏睡状態であったがその日は朝から起きており、いつも以上のハイテンションであった。僕はその日、A氏と一日中話をしていた。帰り際も「帰らないで。」というA氏に対し「また明後日来るからね。」と告げて僕は帰宅した。
僕とA氏が話したのはそれが最後であった。先輩から「A氏はお前に元気な顔を見て欲しかったんだよ。お前の悲しむ顔が見たくなかったんだろうね。」と言われた。
 僕はA氏の関わりを通して業務をこなす事も大事だが、患者様に触れ、目で見て、言葉をかけ、心を持って寄り添う看護を行う事が大事だという事を学んだ。
僕は、A氏との関わりを一生忘れる事はない。

実地指導者 片野坂 健太
            「1年前を思い返すと! 
                 日々、成長してくれてありがとう

 初めての一人暮らし、初めての土地でほんと苦労をしたと思います。
病院で会うととても緊張して焦って、走り回っている姿を今でも覚えています。
ですが今ではとても安心して仕事風景を見てられるし、細い華奢な体が少しだけ頼りがいのある後姿に見えるようになりました。入職した時は先輩方と話す事も緊張していたけど、今では自分の意見も交えながら相談など出来るようになっていて、良く飲む男の看護師ととても喜びながら酒を酌み交わしています。今の吉永君にまだまだ頑張れると声を掛けると少し空回りしそうなので、これからはこれまで以上に一緒に協力して働いていこう。そしてこれからも僕たちとお酒を酌み交わしていこう。吉永君の好きなラーメンも食べ歩きましょうね。
 お互い野球部だから、キャッチボールもしようね。
これからも自分も含め、福元さん、上村さん、カマキリさん共々宜しくお願いします。

病棟主任 福永 理恵子
          親しまれながら
 「今年の新人で一番人気だからお願いね。」と言われて、紹介されました。
5西病棟の男性看護師3人で、責任を持って育てるように伝えました。振り返りレポートも最初は1日遅れで提出していて、一生懸命調べて書いてきているのは良くわかりました。誘われても断ることなく付いて行って、お酒も覚えたと思います。みんなで焼き肉を食べて時、「僕、久しぶりに肉を食べました。」と喜んでいた時は、一人暮らしの自炊は大変だなとつくづく思いました。
 病棟でも明るく患者様に接してくれていますが、患者様もきっとあなたの事を、孫の様に思ってくれている方も多いのではないかと思います。患者様に頼りにされる、あなたがいてくれて良かった・・・と感謝の言葉を頂くと、いつも患者様の思いに寄り添い、時にはそっと手を添える看護が出来ていたのだと感じます。1年が過ぎ、出来る事も増えてきました。
 海君がいてくれて良かったとこれからも言って頂ける事も多くあると思います。
ステップアップしながら今の優しさと笑顔を忘れずに、病棟の一人として頑張っていきましょう。

                次回は6階西病棟外科:呼吸器外科:口腔外科:消化器外科に所属する
                               4名のナラティブ報告を紹介します。
                                                    お楽しみに!!!

2018年6月14日木曜日

第8回 ナラティブ報告会 (5階東病棟編)

ナラティブ報告会とは、新人看護師が1年間を通して心に残った患者様やご家族との
関わりを語り口調で朗読報告する事を言います。

5月12日(土)看護の日に、18名の新人看護師のナラティブ報告に対して、実地指導者及び病棟師長のアンサーという形で行われました。illust青鳥動画4615g

このブログで、新人看護師奮闘記として病棟別に
紹介していきます。
紹介順 5階東→5階西→6階西→7階東→7階西

   写真をクリックすると拡大します
  見やすくなりますので是非、お試し下さい。

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報告会終了後には、一人ひとりに重田看護部長よりクリニカルラダーステップアップⅡの認定証と、5千円分の図書券、そして病棟の先輩が一年間撮りためていた写真を、コメント付きのアルバムにしてプレゼントされました。

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          5階東病棟 心臓血管外科循環器内科形成外科

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IMG_0927 -トリミング

5東病棟 
新人看護師 廣地 玲奈 
        患者様との関わりを通して
 入職して1年が経過した。1年前の私は新社会人として、看護師としてこれからやっていけるのだろうかと不安ばかりであったが、患者様やそのご家族、そして先輩方との多くの出会いがあり少しずつ自信を持ち業務を行えるようになってきた。
 入職して9ケ月が経った頃、狭心症の疑いがあり心臓カテーテル検査目的で入院された患者様に、翌日検査を行った。結果、感動にゃ工藤Dr垂水港迎えの3枝病変であった為すぐにでも冠動脈バイパス手術が必要との診断であった。
患者様ははじめ表情を変えず自分の状態に理解できていない様子だったが、病状説明を受けやっと理解ができた様子だった。
病室へ戻ると私に「こうなるとは想像していなかったよ。こんなに悪かったんだね。自分の今までの行いの結果だ。」と弱弱しい声で話しショックを受けているような様子だった。
そして準緊急で翌日手術を受ける事となった。当初は検査目的であったが、手術になるとは患者様自身も想像していなかったこともあり、私自身、患者様から話しかけられた際にどのような声掛けや返事をすれば良いか悩み、何も言葉が見つからず、ただ傾聴する事で精一杯だった。
又患者様は、身寄りの方が近くにいないという事もあり、すぐ近くで支えてくれる人がいない事は、更に精神的不安が大きかったと思う。
 手術当日、患者様のお部屋を訪室し「頑張ってきてください。病棟に戻ってこられた際はまたAさんの顔を見に来ますね」と声を掛けた。「あ、昨日の看護師さん。行ってきますね。」といい笑みを浮かべていたが目が少し潤んでいて、不安が伝わってきた。「頑張ってきてください。」と声を掛けたが頑張っている人に対してもっと頑張ってと伝えている様で、その言葉の重さを感じた。
 術後3日目、状態が安定しICUより5東病棟に転棟してきた。患者様のお部屋へ訪室し「お帰りなさい。頑張りましたね。」と伝えると、患者様から「ただいま。あなたの顔がまた見れて良かったよ。ありがとう」と今までにない笑みと安心された表情をみて、涙があふれそうになった。
術後4週目には退院となり患者様より「あの時は本当に辛かったけど、良くしてくれてここまで来れたよ。廣地さん、ありがとう」と話され、あの時の私は傾聴する事しか出来なかったが、少しでも患者様の心の支えになれたのかなと嬉しかった。
 今回の事例を通して、急遽手術を受けなければならず精神的ショックを受けた患者様に対する心のケアや言葉の重みについて学ぶ事が出来た。もし自分が患者様もしくは家族の立場に立った時、どのように関わってほしいかを欲しいかを考える事が大切だと先輩からアドバイスを頂いていたが、今まで関わり方に悩んでいた。しかし、今回初めて自分なりに考え、少しでも関われた事で患者様から嬉しい声を頂き、今後も患者様やご家族の思いを大切に、時には同じ目線にたち声を掛け、「良かった」と思って頂けるような看護師に成長していきたい。

実地指導者 土屋 潤奈
        「持ち前の優しさと素敵な笑顔で
 廣地さん、一年間お疲れ様でした。
最初は何をするにも余裕がなく、焦りや不安でいっぱいいっぱいになっていましたね。
徐々に職場や業務にも慣れてきて、笑顔が素敵な看護師になってきました。
持ち前の優しさもあり、患者様との関わりはとても上手だなと感心していました。患者様から廣地さんの名前を聞くようになり、どんなに忙しくても必ず患者様との話す時間を作り、患者様と向き合っている姿を見て毎日とても感心していました。
看護観は人それぞれ違います。廣地さんの目指す看護師像はすばらしいと思いました。
患者様やご家族の思いを聞き取ることはとても大切です。入院し手術するとなると患者様自身、不安しかないと思います。そこに介入し患者様の思いに寄り添えたことはとても良い経験になったと思います。これからも優しさと素敵な笑顔で共に頑張っていきましょう。

副看護部長 藤安 友子
        言葉の重みを考えながら看護師としての成長を感じて
 早くも入職して1年が経ち、後輩もやってきましたね。入職当初は、緊張が強くせっかくの笑顔も封印されているような状態でした。そんな中でも、確実に学びを深め看護師としての声掛けや姿勢はすばらしいなと感心させられるほど、きちんと出来ていました。元々、物事を自分の中で咀嚼してから行動に移していくタイプで、納得しながら業務を遂行していましたよね。
Aさんは、準緊急で手術を行うことになり、自分の置かれている立場を上手く理解できないままに周りから多くの説明をされ、話がどんどん進んでいくというような状況だったのではないでしょうか。そんな中で廣地さんに掛けられた言葉や表情が、Aさんの心にはとても響いたのではないかと思います。患者様から直接名前を呼んで感謝の言葉を頂けるとは、なんと素敵なことでしょう。これは、廣地さんのその時の思いや心遣いが通じたからではないかと思います。
笑顔の素敵な親切な看護師さん そんな看護師でこれからも沢山の人たちに笑顔と心地よさを分けてあげてほしいと思います。今後は今以上に素敵な看護師になっていくと思います。
後輩が憧れるそんなかっこいい看護師になれると期待しています。これからも成長し続けていきましょう。応援しています。

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5東病棟
新人看護師 山口 桃奈
        構音障害の患者様との出会い
 入職して1年が過ぎた。私がこれまでに経験した看護で印象に残っている事は、60歳代(以下A氏)の男性患者様との関わりについてである。A氏は、突然自宅で意識を失い病院に救急搬送された。検査の結果、急性大動脈解離スタンフォードAと診断され、緊急で上行大動脈人工血管置換術が行われた。その後の術後経過は良好であり施設転院の予定であった。しかし、入院中、呼吸困難感、喘鳴の訴えあり、気管支ファイバースコピーにて声帯開存困難がみられ、両側反回神経麻痺を認めた。それにより喀痰喀出困難となり窒息のリスクが考えられるため、期間切開術が行われた。ある日、A氏からナースコールがあり、A氏の部屋を訪室した。
訪室した際、A氏から訴えがあったが気管切開していることや、既往に脳梗塞の後遺症による言語障害があるゆえに、何を伝えているかがわからなかった。その為、自分は「トイレですか?」や「気分が悪いですか?」など、うなずきで返答できる質問や{はい・いいえ}などの簡単な質問を投げかけた。するとA氏からトイレに行きたいという事に対して、うなずきと理解してもらえて嬉しいというような表情をうかがうことが出来た。
 A氏は緊急手術を2度されていることや、気管切開により声が出せず思っていることを伝えることが出来ないため、大きなストレスを抱えている事が考えられた。
そのためクローズドクエスチョンやジェスチャーを活用してコミュニケーションを図ったり、術後の苦痛に対する共感的声掛けを行う事でストレス緩和に努めた。その結果、患者様から嬉しい表情やうなずきがみられてクローズドクエスチョンやジェスチャーでのコミュニケーションの大切さに気付いた。この経験を通じて、私はコミュニケーションを図ることが難しい患者様や、入院した事によるストレスを抱えている患者様に対する声掛けや精神的苦痛の緩和について改めて大切だと感じた。また、患者様からの発言だけでなく、表情や動き、視線などを観察して患者様が今何を思っているかを感じ取り看護を行っていくことが大切だと考えた。精神的緩和として患者様がうまく伝わらないというもどかしさや、ストレスを理解して看護を行うことが必要だと感じた。

実地指導者 福岡 礼央奈
        コミュニケーションの大切さ
 山口さん、1年間お疲れ様でした。最初の頃の山口さんはおとなしい印象で、急性期の病棟についていけるか心配でしたが、仕事に慣れるにつれ笑顔が見られるようになり、1年を通して患者様との関わりがとても上手になったと思います。
 今回、A氏への看護を通して、コミュニケーションの大切さが理解出来て良かったと思います。
コミュニケーションは患者様と関わる中で一種の看護だと私は思います。
今回、脳梗塞の後遺症や気管切開後により自己の思いを上手に言葉に出来ない患者様との出会いと言う事ですが、山口さんが”どうしたらA氏の伝えたいことを理解出来るだろうか”と考えたからこそ、クローズドクエスチョンやジェスチャーの必要性がわかったのではないでしょうか。
構音障害の患者様にとって、理解してもらえたことは本当に嬉しかったと思います。
 入院している患者様の中には、A氏のように相手に言葉が伝わらず辛い思いをしている方もいれば、疾患や入院に対する恐怖など様々な思いをしている方もいれば、疾患や入院に対する恐怖など様々な思いを抱えている方もいます。今回、学んだコミュニケーションの大切さを活かして、患者様の様々な思いを表出し、苦痛を軽減出来るよう今後も患者様との関わりを大切にして下さいね。

副看護部長 藤安 友子
        相手の気持ちを汲み取る困難さに、工夫を取り入れたすばらしさ
 入職して間もないころは、少しおっとりしたテンポで行動している山口さんの事がとても気になっていました。5東病棟のスピーディーな流れについていけるようになるのだろうかと、思案した時期もありました。しかし、徐々に病棟にも業務にも慣れ、話す言葉も大きな声で表情も交えながら話している姿を、頼もしく見ることが出来るようになりました。
 A氏は、病状変化と共に声が出せないという言語的コミュニケーション手段を急に奪われてしまった状況でした。急にこのような状況下に身を置いた時に、はたして冷静でいられるでしょうか。言いたいことが伝わらないという、もどかしさが大きいのではないかと思います。
そんな状況を悟り、患者様の立場に立ってみて、コミュニケーション手段を考えられたことはとても素晴らしい事だったと思います。A氏は山口さんが対応した時にどんなに嬉しかった事でしょうね。常に相手の気持ちを汲み取りながら、対応していける素敵な看護師にいるのですね。
どんな時でも、いつものスマイルでまわりのみんなをハッピーな気持ちにすることが出来る看護師になっていくのだと思います。これからも見守っていける楽しみがいっぱいです。

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5東病棟
新人看護師 原口 綾乃
        日常ケアからの学び ~患者様と家族に寄り添った看護~
 看護師1年目があっという間に過ぎた。この1年間、毎日緊張と闘いながら必死に業務を覚え、多くの患者様と関わってきた。受け持ち患者の人数・任されるイベントの数も増えていき、ただひたすら目の前の業務をこなすことに瀬一杯で時間に追われながら仕事をしていた。
そんな自分が嫌になることも多く「何のために看護師をしているのだろう」、「もう少し患者様に寄り添えたら」と思う事が多かった。そんな忙しい業務の中でも患者様との関わりで印象的なことを振り返りたいと思う。
 A氏70代女性。末期心不全にて入退院を繰り返していた。元々ADLは自立していたが、心不全憎悪をきたし酸素化不良、呼吸困難感や倦怠感でほとんどベッド上での生活となっていった。
A氏には夫がいた。夫は毎日A氏に会いに来て、自ら食事介助や排泄介助をA氏のために一生懸命行っていた。A氏は少し前までポータブルトイレに移乗する事まで頑張っていたが、苦しさからだんだん「今日は苦しいからやめておきます。」と入浴や洗髪など清潔ケアを拒否する事が多くなっていた。A氏を受け持つことは何度かあったがいつもの忙しさからA氏にゆっくり向き合い、ケアを行うことが出来ていなかった。またその頃A氏と夫の間では今後の治療に対する思いがすれ違っていた。家に帰りたいA氏と、もう少し病院で続けて生きてほしいと願う夫。そんな2人の姿を見ながら、私は患者様に必要な事、してあげたい事があるのに、それを行動にすることが出来ていない事がずっと悔しく思っていた。
 
そんな中、A氏を受け持ったある日、A氏の調子が少し良かったため午後から時間を作り、A氏へケアを行うことにした。今から全身清拭を行うことをA氏に確認すると、その時は「ほんとですか?有難うございます。」と前向きな反応があった。
普段のケアでは使わないスキナベーブを使用し、少し時間をかけ全身を拭いた。
清拭中、A氏は臥床状態であり寝返りを打つ時はきつそうではあったが、清拭を行ったことで少しではあるが表情は明るくなり「気持ちがいいです。さっぱりしました。」と発言があった。
そばにいた夫も「こんなに良くして頂いて。有難うございます。」といつもより笑顔になっているのを感じた。その後A氏は他の病棟へトランスとなったため、これが私のA氏を受け持つ最後の機会となった。もうほとんどベッド上の生活で、長期的に治療を受けているA氏のニーズを一部分、少しだけ満たす事が出来たのではないかと考え、自己満足になってしまってはいけないが最後にこのような関わりが出来た事を嬉しく思った。またいつも帰り際に「よろしくお願いします。」と言って帰っていく夫の思いに対しても少しでも応える事が出来たのではないかと考えた。
 まだまだ未熟ではあるが1人の看護師として患者様と家族を一緒に支えていかなければならないという責任感を強く感じた。病棟では毎日色々な日常があり、小さなことでも一つ一つが患者様にとっては重要な看護であると気付く事が出来た。今後も患者様・家族との色々な関わりから沢山学び、自分の知識や技術をより深め学習に努めていき成長していきたいと考えた。

実地指導者 坂田 直哉
        患者様・家族との関わりの中で
 まずは1年間お疲れ様でした。目の前の業務をこなすことに精一杯な姿、緊張してうまく言葉に出来ていなかった姿、様々な姿をこの1年で見ました。自分があまりフォローにつくことが出来ず、周りに任せっきりになってしまい相談出来る環境を整えることが出来ていなかったのではないかと反省しています。最初は何かわからないことがある?と尋ねても、大丈夫です。と返答するだけでしたが、次第に色々な事を質問してくれて日々成長しているなと感じました。
精神的に弱い部分もあり、悲観的になり涙あうる場面もありました。仕事に行きたくない、自分に自信がないなど、彼女の弱い部分も知り時間をかけゆっくりと話し一緒に問題を見つけ、解決策を考え行動し、少しずつ自信に繋げられたのではないかと思います。
 今回の事例では、患者様と家族との関わりや患者様と向き合いニーズに応える事の大切さがわかったのではないでしょうか。業務に追われ、中々患者様と向き合う時間が作れていない事が多々あると思います。これから少しずつ時間を見つけて関わっていけたらと思います。
4月から2年目となりましたが、まだ実感が湧かないかもしれません。
まだまだ不安なことが沢山あるかも知れませんが、今までと変わらずフォローしていきますので何でも相談して下さい。これからますます忙しくなり大変になってきますが、引続き一緒に頑張って行きましょう。

副看護部長 藤安 友子
        「
有効な時間の使い方でWIN WINの関係性を築けた行動

 もう入職1年が経ちましたね。原口さんにとってこの1年は早かったでしょうか。遅かったでしょうか。一生懸命が故に、すべて自分で納得するまでは行動に移すことが出来ず、成長が目に見えず苦しんだこともありましたね。看護師になったのに途中はくじけそうになり、多くの周囲からの仲間・先輩達からの支えがあって今の原口さんがここに存在しているのだと思います。
手技も上手にできずに悩み、考えるあまり手を出すことが出来なくなった時期も経験し、今は立派に成長し看護師を続けています。
この1年間で流した涙は決して無駄ではなかったと思いますよ。
 A氏と家族を交えて関わりを持ちたいとジレンマを抱えていたのは原口さんだけではないと思います。その中でも、有効な時間を見つけて寄り添うような看護を提供出来た事は、どんなにA氏やご家族の心に響いたことでしょう。いつも持ち持ち続けていた何か出来ることはないだろうかという気持ちは、相手にも通じるのだと思います。真面目にコツコツと行う姿は、皆が見ています。急性期病棟で忙しく動き回っていますが、患者様それぞれに対しての看護が繰り広
げられています。指導者の声にもあるように、成長している姿が感じ取れる毎日です。
これからも初心を忘れることなく、日常を過ごしていけると良いですね。

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5東病棟
新人看護師 大山 礼安
        ~私に出来る事~
 入職して1年が過ぎ、少しずつ業務や仕事に慣れてきた。そんな中で今でもとても印象に残っている患者様との出会いがあった。
 A氏は、末期の肝癌でであり内科病棟が満床であったため、5東病棟へ入院となった。
入院時、腹水が著明でありトイレにも行けないほどADLが低下していた。付添で来ていた妻は「2~3日前まではトイレにも自分で行っていたのに」と悲しげな表情で話され、A氏の現在の状況を受け入れられない様子であった。
 
翌日もA氏を受け持つことになった。A氏と同室の患者様はその日手術予定であり、私が手術室へ搬入し戻ってくるとA氏の妻より「治療が出来る人はいいですね。夫は点滴しかしていないのよ。腹水を抜いてくれないのかしら。」と言われた。私はどのような声掛けをしたら良いのかわからなかった。ただ、A氏の妻の背中をさする事しか出来ない自分が情けなかった。
 急遽その日のうちに内科病棟へトランスが決まり、A氏は内科病棟へ移動となった。その後も私はA氏の妻の言葉が胸に残っていた。A氏の妻に対して私が出来ることがあったはずだとやりきれない気持ちだった。私は、実地指導者にA氏の妻との出来事を話し、自分はどう対応するべきだったのか相談した。実地指導者より「A氏の妻は、医師より末期の肝癌であることは説明されていたよね。だけどADLがいきなり低下した今の状態を受け入れることが出来ていなかったね。何が看護師に出来ることだったかな。」と聞かれ、私はハッとした。妻の気持ちを医師に伝え、現在のA氏の状態や今後の治療方針について医師より説明してもらえる場を作るべきであったのではないかと考えた。もし私がその場を作ることが出来ていたら、A氏と妻は疾患に対しどのように向き合い、残りの人生を過ごすことが出来ていたのだろうかと色んな思いが溢れてきた。A氏との関わりを通し、看護師は患者様・家族に一番近い存在であると改めて実感した。またこの1年間は、沢山の看護場面を経験し、あの時こうしたら良かったと考える事ばかりだった。そんな中でこの仕事にやりがいを感じさせてくれたのは患者様やその家族だった。
名前を覚えて毎日声を掛けてくれる患者様、退院後に「あなたに会いたくて来た」とわざわざ病院に足を運んで下さる患者様、ルートキープの際「失敗してもいいから何回でも刺しなさい。」と優しく声を掛けてくれる患者様、振り返るといちも患者様の言葉に支えられていた。
 まだまだ未熟であり、これからも色んな事に悩むと思うが、常に患者様や家族の立場で考える事が出来る看護師になれるよう努力していきたい。

実地指導者 末次 将也
        大きく成長した姿がとても誇らしい
 1年間、お疲れ様でした。大山さんは、いちも明るくてかわいらしくて素直で、業務に対しても勉強に対してもいつも向上心に溢れていました。私の1年目の時とは比べものにならない位のお手本となる1年目だったと思います。入職当初はパソコンが苦手で記録に時間がかかってしまったり、何回も同じことで注意されたり、時には指導に熱が入りすぎて泣かせてしまう事もありましたね。しかし、嫌な顔一つせずめきめきと成長し、処置や初めての業務では「私にやらせて下さい。」と大きな声で一番乗りに手を挙げていました。周りのスタッフからも大山さんの積極性や向上心、自ら工夫して仕事に取り組む姿をいつも褒めて頂き、自慢のプリセプティです。
 A氏の関わりについてですが、正直私もこのような場面でどう声をかけたらいいのか困惑すると思います。しかし、大山さんはA氏の妻の言葉をきちんと受け止めてあげられましたね。
うまく言葉はかけられなかったかも知れませんが、患者様やご家族に対する何かしてあげたいと寄り添える気持ちや、この事例の問題点に気づき振り返る事が出来た事自体が、今後に繋がる大きな学びであったと思います。看護師は専門職です。大山さんの文面にもあったように、患者様の現在の病状や状態を受け入れられていないという事実に気づき、どのように介入できるかが看護師の腕の見せ所です。看護師は身体的な観察、アセスメントだけでなく治療や疾患に対する思いや意向を医師に伝え、患者様やご家族の代弁者にならなければなりません。
そのためには知識はもちろん必要ですが、患者様やご家族にこうしてあげたいという思いやりや、優しさが必要だと思います。その大事な要素が大山さんには備わっていると改めて感心しましたし、これからもその気持ちを持ち続けて、患者様やご家族に信頼して頂けるような素敵な看護師になってほしいです。

副看護部長 藤安 友子
        言葉の裏に隠された気持ちを考えられた事に感動

 入職してから1年が経ち、徐々に成長していく姿を、近くで頼もしく見させていただきました。
自分から、スタッフにも患者様にも積極的に声をかけられて、笑顔で対応出来るそんな印象を受けていました。人と打ち解けて話していると、笑顔の素敵な優しいという面がどんどん姿を現しだしました。大山さんは、もともとコミュニケーション能力に長けていたこともあり、患者様やご家族との会話に臆することなく笑顔で対応していた事は素晴らしいと思いました。
 A氏のような終末期の方がおられる一方で、術後のリハビリを懸命に頑張っておられる方もいらっしゃいます。色々な方に接する中で私達は、対人間として接していく事が求められます。
いかに言葉の真意を読み取れるのかが、肝になる事もあります。今回そこを考えられた行動が素晴らしいと思います。いつもこれで良かったのか。もっとより良い対応は出来なかったのかと、常に向上していけるように考える事が必要なのでしょうね。これからの成長が楽しみです

                             次回は、(5階西病棟)循環器内科に所属する
                                       3名のナラティブ報告を紹介します。  
                                             お楽しみに!!!


2018年5月28日月曜日

H29年度実習指導者講習会に参加して

当院は、現在2校の看護学校(5年1貫コース)実習指定病院(成人実習 老年実習 統合実習)となっております。今回、吉原看護師が実地指導者講習会(40日間/240時間)に参加され、院内講堂LectureHallにて伝達講習会が行われました。

写真をクリックすると拡大して見やすくなります。
是非、お試しください。

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                                                 研修内容
                                                1.医療・看護の動向
                                                2.実習指導者講習会について
                                                3.看護教育制度について
                                                4.看護学生にとっての実習とは
                                                5.臨地実習(看護学実習)とは
                                                6.看護学生との関わり方

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看護学生は私達(実地指導者)に何を求めているのか?
                                                                                 →
私たちに出来ることは? 

看護学生との関わり方として、学生の思いに気付くことが出来るか?

指導者は自分の発言・対応の影響力の大きさを自覚する事で
                                                                                 →自分を見つめ直す機会とする。

  等、吉原看護師がこの講習会に参加しての心境の変化についても話がありました。

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                      看護学生は、看護スタッフの一員です。
一緒に将来の仲間・後輩となる学生を育てていくための、良い報告会となりました。