2014年8月14日木曜日

2年目看護師奮闘記~⑤ ナラティブ報告会より

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   1年を振り返って

      大隅鹿屋病院
        4階西病棟
     (循環器内科:整形外科病棟)
                   下高原 朱菜
              都城看護専門学校
          (H24年卒)

 7月に入職してから早いもので8ヶ月が経とうとしている。
この8か月間で多くの患者様と出会い看護を行ってきた中で、一番印象に残っている患者様について記していこうと思う。

閉塞性動脈硬化症で入院中のAさんは、両下肢とも黒色壊死が進んでおり、右足はアンプタ四肢の切断・切除術の意味を行い毎日洗浄し、ガーゼ保護を行っていた。
入院した最初の頃は、少量ずつではあったが食事摂取も出来ていた。「もう少し食べれますか?」
と声掛けすると、首を横に振ったり頷いたりと、自分の気持ちを伝えることが出来ていた。
しかし、入院期間が長くなるにつれ食事摂取も減り、最終的に摂取出来なくなりました。
だが、声掛けに対しては開眼され、かすかではあるが頷きがあるので少し安心はしていた。

      (写真はクリックすると拡大します。是非お試し下さい)

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ある日の朝、私はいつものように出勤し、受け持ち部屋の情報をとっていた。
すると、AさんのモニターがVF波形心室細動波形の事で、心臓のポンプ機能がほとんど動いていない状態になり、部屋を訪室するとすでに心停止していた。
出勤していたスタッフと部屋移動を行い、AさんはDNRの為、特に処置などはせず家族の到着を待った。その後、リーダーより死後の処置をしたことがある?と言われたのでないですと答えると、「してみようか」と言ってもらい私はスタッフと一緒に死後の処置を行った。
死後の処置をするのは初めてでとまどっていたらいつも患者様に清拭するように丁寧にしていけば大丈夫と言われ、緊張がほぐれ最後まで処置をすることが出来た。
死後の処置が終わり、家族江声掛けを行った。
家族に長い間、本当に有難うございましたと言ってもらい、私は思わず泣きそうになった。
家族が一番辛いのに、私たちにこのような優しい言葉かけをしてもらい、とても胸がいっぱいになった。私はただ有難うございましたと言うことしか出来なかった。

死後の処置を終え、Aさんの最期をしっかり看取ることが出来、Aさんの死を通して看護師になって初めて死後の処置をさせてもらった事」「死後の処置の方法」「家族との関わりなどを学ぶ事が出来た。今まで、死を迎えた方の身体に触れたり体温などを感じる事がなかったので、死後の処置を通して改めて実感することが出来、また自分の中で一つ成長出来たような気がした。
今回は家族の方に、しっかりとした声掛けが出来ていなかった為、今後は家族の方の思いなどを理解し話を傾聴出来るようにしていき、家族の心のケアまで出来るようにしていきたい。
又、死後の処置では暖かいお湯を使用し、患者様が寒くないように手際よく丁寧に行い、その方の人生を尊重した気持ちで行うことが大切だと感じた。
看護師として出来ていない所や、気持ち的に落ち着いて処置が出来ていなかったので、自分の未熟さを改めて実感する事が出来た。だが、その中でスタッフのフォローや指導をしてもらい、先輩方に支えてもらって日々の仕事が出来ているのを感じた。
一人では不安な時には一人で解決しようとせず、周りのスタッフに相談しアドバイスをもらう事で、今後の自分自身の成長に繋がっていけると思う事が出来た。

Aさんのような患者様にも慌てることなく、落ち着いた対応が出来るようにしていきたい。
又、患者様の家族にもしっかりとした言葉かけが出来、安心してもらえるように関わっていきたい。
自分一人で働いているわけではないので、周りに相談し適切な看護をしていけるような、立派な看護師になりたいと思う。

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ico_hanamizuki_1                                     「一年間を振り返って
                 4階西病棟 実地指導者
                                                        新地 梢
             

入職して8ヶ月経ちましたね。どんな8ヶ月だったでしょう。
久しぶりの臨床の場と、初めての循環器・整形病棟。
私も昨年4月に転勤してきて初めての事ばかりの毎日に、戸惑いと葛藤があったことを覚えています。そんな中で入職してきた下高原さん。おとなしくて、おしとやかで。
何かとキャラクターの濃いこの病棟で頑張って行けるかなと心配にもなりました。
毎日わからない言葉や初めてみる機械などで不安だったと思います。
そんな中プリセプターが途中で代わってしまい、さらに不安だったのではないでしょうか?
私も何とか慣れてきた業務の中でプリセプターを任され、こんな私でいいのかと不安になりました。でも、一緒に成長していこうと心に決めて関わるようにしました。
解らないことなどを遠くから走ってきて、私に聞きに来てくれたりしましたね。
なんか嬉しかったです。しばらくすると、同期のスタッフとも打ち解け、固まっていた表情も段々和らいできて、同期同士で相談しあったり励ましあったり出来たのではないでしょうか?
同期はです。これからも大事にして下さい。

日々業務を行なう中で、楽しいこともあれば辛いこともあると思います。
中でもエンゼルケアは初めてのことで、とても戸惑ったかと思います。
出来れば人のには関わりたくないですよね。でも私たちはそれから逃れることは出来ません。
その人をなるべく綺麗な状態で見送れるように、日々関わっていくことも大事だと思います。

2年目になると少し心に余裕が出てきて、少し視野も広がり、色んなことに興味を持って勉強できると思います。もうすぐ後輩も入ってきます。下高原さんたちが一番身近な先輩になるでしょう。
何を聞かれても自信を持って答えられるよう、教えられるようになって欲しいです。
これからも、あなたは大事な4階西病棟のスタッフの一員です。一緒に頑張っていきましょう。

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   努力は必ず報われます
       4階西病棟 師長
                     木下 徹子

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他の施設に勤務しながら通学して国家試験に合格。当院に途中からの新卒入職者として今日まできました。入職当初は、中々なじめていませんでしたね。
新卒の他のスタッフにも、やや気後れしたのではないかと思います。
しかし、そこは頑張り屋の根性がでてきました。解らない時は、実地指導者を見つけては走って聞いていました。微笑ましく観察!させて頂きました。そして優しく、穏やかに微笑みながら話を聴いてくれる、そして真剣に患者様、ご家族様と向き合い対応してくれました。
日々患者様、ご家族と関わることで見えてくる背景。看護師は疾患だけをみて看護は出来ません。その方の人生、ご家族との関わりなど背景も踏まえて看護になります。

ゆりかごから墓場まで・・・という福祉制度の言葉があります。
看護師という職業にも合っている言葉ではないかと思います。命が芽生えた時から看護師は関わり、最期を迎える瞬間も関わることが出来る唯一の職業です。
様々な経験をして観て」「触れて」「聴いて」「感じて」「看て」「考えることで自分も成長していくと思います。今までしてきた努力は、必ずどこかで報われます。ひとつ、ひとつ、前に、前に進むことが大切です。私たち看護師が有難うございましたと言える看護をこれからも一緒にしましょう。

2014年8月7日木曜日

2年目看護師奮闘記~④ ナラティブ報告会より


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    「患者様との関わりを通して学んだIMG_4349事」

          大隅鹿屋病院
          5階東病棟 (内科病棟)
              萩原 克己

                      尚志館高等学校 看護学科 
          (H25年卒)

私が、看護職について一年が経ちました。
この一年間を通してたくさんの患者や様と、そのご家族と深く良い関わりが出来たと思います。
でも、最近私の中で慣れてしまっている部分があり、患者様とコミュニケーションを図る際の言葉使いや、態度を注意されることが良くあります。
患者様からの苦情もあり、一年前の入職時の気持ちを忘れないようにするために、ここに一人の患者様との関わりの中で学ばせて頂いたことを報告したいと思います。

   (写真はクリックすると拡大します。是非、お試し下さい。)

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最初にその患者様の紹介をしたいと思います。
80歳代男性で、人工呼吸器を装着し呼吸管理を行っており、透析もしていました。
呼吸器を装着していましたが、ジェスチャー意思疎通を図れる方でした。
この患者や様は挿管する前までは、背中を掻いてと発語にてよく訴えがあり、擦ってあげるとすごく気持ちよさそうな声をだして、笑顔で接してくれる方でした。
挿管後もジェスチャーで同様の訴えがよくあり、その度に気持ちよさそうな顔をされていました。
そんな患者様との関わりの中で、印象に残っている出来事があります。

それは患者様の状態が安定して、私の勤務している急性期の病棟から慢性期の病棟にトランス
(病棟移動)をした日のことです。

その日に運よく受持ちをさせて頂き、病棟スタッフ全員で患者様を送り出した時に私を見て、きたくない、ここがいい。と呼吸器を装着して声が出ないのに、泣き顔で口パクで言われました。
私も行かせたくないと思い、思わず涙が出そうな気持になりました。
この時に初めて、こんなに深い関係を築くことが出来ていたのだと気付くことが出来ました。

その後お亡くなりになったと聞き、患者様のカルテを改めて開いてみると、亡くなる前の記録にには、みんなの言っていることはわかるけど、みんなには僕の言っていることはわからないとありました。すごく、寂しい思いをされていたのだと思います。
患者様から頂いたものは沢山あるのに、私は何をしてあげられたのだろうと情けなく思いました。
看護の中で、ケアしてあげられなかったのは私の知識不足のせいであるため、もっと看護師としての学びを深め目標に向って頑張って行きたいと思います。
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 患者様との関わりは、看護師としてだけでなく人としての心、精神面 や態度などを学ぶ事が出来ました。
 関わるということは、関係を築くということです。
 これからも沢山の患者様と良い関係を築いていけるように、学ばせて   頂いたことを忘れずに、看護師として、人として成長していきたいと思  います。

        看護師としてスキルアップして、ドクターカー対応も出来る
          幅広い知識を習得していきます。


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       二年目に向けて     ico_hanamizuki_1
   患者様目線の看護~
     5階東病棟 実地指導者
             右田 峰子


看護師になって一年が経ちました。お疲れ様でした。
入職当初の萩原君は手先が少し不器用で、点滴準備する様子をとても心配しながら見守っていたことを思い出します。
萩原君のプリセプターになって半年のある日、私の厳しい指導や注意にもはい、わかりました勉強してきますと素直に答えてくれました。

一年目は患者様との関わり方を一番悩む時期ですが、呼吸器装着中の患者様との関わりを通して深い関わり方が出来ていたとの実感は、看護の仕事を続けていける支えになったと思います。

私達の仕事は、患者様と上手に関わることが出来るか否かで、看護師としての成長に大きく影響してきます看護師の仕事が好き」「オペ室勤務が目標と、自分の気持ちをしっかり伝えてくれた萩原君。これからはもっと多くの患者様が思いを言ってくれる関わり方と、患者様の思いを引き出そうとする関わりが出来るように、患者様やご家族の目線で目線で看護することを心がけて下さい。

忙しい日々の仕事で落ち込んでしまいそうになることもあると思いますが、自分の気持ちを立て直す力をつけ、仕事への意欲や看護師としての喜びを実感し、誇りを持って頑張って下さい。
今後、更に成長していけるように応援していきます。

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   自分の目指す看護に向けてico_hanamizuki_6
       5階東病棟 師長
            川元 さとみ



5階東病棟配置になり、一年が経ちましたがどうでしたか。
自分の思った看護が出来たでしょうか?
患者様との関わりで、呼吸器を使用している患者様との関わりが印象に残っているようですね。
5階東病棟は、365日呼吸器を使用していない人がいない位毎日稼動しています。
声に出して会話が出来ないのは、とても辛いことだと思います。
伝えたいことが伝わらず、患者様もイライラすることもあったと思います。
しかし根気強く関わっていくことで、私達の看護する意味が分かってきたと思います。
看護師になって良かったと思え、自分に自信が持てるよう、これからも日々努力をして下さい。

今年から先輩になります。あなたの行動を見ています。
すばらしいお手本になれるように、また萩原君みたいな看護師になりたいと思われる人になって下さい。自分のスキルを高めるためには先輩に怒られたり、褒められたりしながら成長していきます。
少しコミュニケーションが苦手なようなので、同期とだけでなく先輩と関わりを持って、素晴らしい技術や知識を学んで下さい。
頼れる看護師に成長していくことを、楽しみにしています。