2014年7月10日木曜日

2年目看護師奮闘記~② ナラティブ報告会より

 

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患者様の気持ちになって考える看護
末期がん患者様との関わりを通して学んだ事

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              大隅鹿屋病院       
       3階東病棟 

     (外科:歯科口腔外科病棟)
               山元 慶枝

                                                                尚志館高等学校 看護学科
                                 (H25年卒) 

看護師として就職してあっという間に1年が経ちました。
私はこの1年間、看護師として働いていく中で、多くの患者様との関わりを通して様々なことを学びました。入職したころは知識・技術不足で何も出来ず、ひとり立ちしていくにつれて出来ていないと感じることも多くなり、焦りと不安でいっぱいでした。分からないこともはっきりしない私に、先輩方は一つ一つ優しく丁寧に教えて下さり感謝の気持ちでいっぱいです。
看護業務をこなしながら日々過ごしていく中で、ある末期がんの患者様とその家族の献身的な関わりが心に残ったので話したいと思います。

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その方は、60歳代女性。胃がんと診断され、手術・化学療法施行後、状態不安定のまま現在も入院しています。残された時間で何が出来るか考えながら、壁には、四季折々の花や旦那さんとの写真が飾ってあり、好きな音楽を聴いたり本を読んだり、本人の趣味を取り入れ気分転換を図れるように工夫してありました。そして、緩和ケアの関わりの一つに病室内でのパン作りもありました。
その時のとても楽しそうな笑顔いっぱいの表情を思い出すと、好きなことややりたいことしている時間をたくさん行いながら過ごせるように考えることが、その人らしい最期を迎えられるような援助につながることを感じました。

また、家族は本人の希望が叶えられるように毎日面会に来てくれており、訪室時はいつも笑顔で、つらく苦しそうな時も「ありがとう」と私たちを気遣ってくれました。
しかし、旦那さんは死と隣り合わせの今の病状を受け入れられずに、DNR(蘇生措置拒否:静かに看取ってほしいという意思表示)の決断が出来ずにいます。
このことを通して、毎日業務に追われ私達が忙しそうにしていると、何かしてもらいたいことや話したいことがあっても、我慢して言えない状況になってしまうと改めて考えさせられました。
本人の本当の気持ちや残される家族の精神面の変化に気づけるように、多方面から周りを見て視野を広く持ち、心にゆとりを持って接していくことが大切だと思いました。
入退院・手術の多い病棟の中で、処置などのケアや検査の流れ・業務を覚えることで精一杯で、患者様一人ひとりと深く接することが出来ず「こんな看護をしたくて看護師にわけじゃないのに」
落ち込んだ時も沢山ありました。この1年間の学びを今後に生かして患者様の訴えを傾聴し、対応出来るようになりたいと思います。
これからもっといろんな方と携わっていきながら、相手の気持ちを考えて行動し看護師として成長できるよう、初心を忘れず日々努力していきたいです。

      (写真はクリックすると拡大します。是非、お試しください)

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    今朝も笑顔で出勤しました。
  
    パソコンで、出勤簿に打刻して
    今日も1日、笑顔で頑張ります!

 

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   笑顔と涙で向き合った1年間
           
3階東病棟 実地指導者ico_hanamizuki_1
                        永野 美月

 

山元さんと、初めて会ったのは看護学校の実習でしたね。
外科を希望し、入職して早いもので1年が過ぎましたね。第一印象は笑顔が素敵で小柄な女性でした。1年間を通してたくさん話をして、一緒に頑張ってきましたね。
その中で涙も流し、でもいっぱい笑顔もありましたね。悩ん分だけ、壁を乗り越えた分だけそれは学びとなり成長につながります。山元さんの患者さんへの対応は本当に優しく、その笑顔で患者さんはたくさん救われたと思います。知識よりも技術よりも患者さんとどう向き合うかがとっても大切です。これからもその姿勢は持ち続けてくださいね。

1年間の中で、仕事のペースについていけないことで悩みましたね。でも頑張ってこれたのは山元さんの前向きな強い意志があったからだと思います。2年目に入り、新入職者も入ってきます。
今度は自分が先輩になり教えることも出てきます。これからも学ぶ姿勢を持ち続け、山元さんの今の前向きな強い意志で頑張ってくださいね。これからもいつでも相談してくださいね。
一緒に頑張りましょう。

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    信頼される看護師へ更なる期待
                    3階東病棟 師長
                          大野 緑ico_hanamizuki_6

 
早いもので入職して1年が経過しました。
新卒の就職者を受け入れになれない状況での新人教育でした。新しい環境での生活がスタートし不安と期待と希望に満ち溢れ、常に笑顔を絶やさずコツコツ自分のペースで頑張ってくれていました。外科病棟での毎日は、入退院が多く手術や多種多様の検査や処置を覚えることから始まります。一つ一つ丁寧に確認しようとしていても次々に業務が重なり、急ぎの業務を優先しなければならない時もありました。時には涙を見せる場面もありましたが、山元さんの優しさの反面、意思の強さ、自分の看護への思いの強さが今の彼女の支えとなっているように思います。
一つの大きな山を乗り越え、これからの更なる成長が楽しみです。

外科病棟では、急性期の治療を展開する場面や緩和ケアのように患者に寄り添う看護の提供が必要な患者と入院されます。手術療法の提供では、手術の結果により患者とのかかわりもも大きく変わりますが、患者家族へのインフォームドの重要性と家族との情報交換が必要です。
家族や本人の望む看護の提供を実施出来るよう環境を整えテーム間での情報交換と統一した看護の提供が望まれます。これからは、患者の希望の添えるような看護の在り方や看護技術の更なる向上と信頼される看護師として活躍することを期待します。共に頑張りましょう。

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