2013年8月26日月曜日

訪問看護ステーション「花みずき」ブログ:No22

死生観について  「在宅でのターミナルケア」

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本人写真

      


              訪問看護ステーション
      「花みずき」
      訪問看護師  野間川内 有紀

 

訪問看護に携わらせていただき、3年が過ぎました。
良く死生観について考えさせられることがあります。
訪問看護では(人生の)最期を、残された余生を、自宅で過ごしたいと思われる方を、支援する事があります。          「在宅でのターミナルケア」「看取り」です。

ima222ge先に、私自身のことから話させていただきます。 imag17e3422

私は実家で犬を飼っていました。血統書付きではなかったのですが、雑種でコーギーがミックスされているような犬でした。初めて飼った犬で、飼う為の知識もなかったので、ネギを食べさせて病気にさせたり。尿の出が悪いなあ?と思ったら、手術しないといけないぐらい、尿管結石が溜まっていたり。私自身が体調悪くても、仕事は休んだ事はなかったのですが、愛犬の様子がおかしかった時は病院に連れて行くため、ちょっと、仕事を休ませてもらった事もありました(苦笑)。
以前、訪問看護のブログでもペットは家族の一員と書いてあったと思いますが、まさに私の中でも、家族と同じでした(オスだったので彼氏のような存在?)。
私が家に帰ってきたら、駆け寄り出迎え、出かけるとき悲しそうなつぶらな瞳で見送り、一緒に遊ぶと目をランランとさせてついてくる姿…そしてかわいい短い足(笑)など、何もかも愛しくて、とてもかわいがっていました。

imag33eしかし、犬の寿命は人間よりも短い。わかっていましたが…愛犬も加齢にともない、体力の低下がみられ始めました。食欲も低下、水分すら飲まない、血尿が?! 
病院に連れて行くと、腎機能が悪くなっているとの説明がありました。お薬を出してもらいましたが、薬もほとんど飲めず、症状は悪化、最期は尿素窒素(BUN)がHIと測定可能値以上になり、獣医さんが私に…「今夜が峠でしょう。どうしますか?連れて帰りますか?
入院して点滴など治療をしてみますか?」と言われました。
私の頭の中では(連れて帰る?? 私 明日は仕事だし、他の家族も仕事、もし何かあったら…、最期 独りぼっちでなんて!かわいそ過ぎる!入院したほうが、看護婦さんもいるし、独りにならない、もしかしたら元気になるかもしれない)など、考えていたように思います。                         

私は入院を選びました。翌日 愛犬は亡くなりました。 image208567

それが5年程前のことだと思います。訪問看護で看取りに立ち合う機会が多くなり、本人が望むように、人生の最後を大好きな人(家族)に看取られ、慣れ親しんだ場所でその人らしく最期を終える。素敵なこと感じ始めた時、愛犬のことを思い出しました。
そして気づきました。愛犬は、家で亡くなりたかったんじゃないかと、病院嫌いでした、点滴なんてしたくなかったと思います。看護婦さんは優しくても、愛犬にとっては知らない人。例え、最期を終える時、私や家族が仕事中で独りでも、慣れ親しんだ小屋、いつもと同じ空気・音・においが、愛犬にとっては、安心する場所で、当たり前の居場所だったんです。
私は愛犬の死を受け入れられず、愛犬の思いより、自分の安心を取ってしまったんだと、気づかされ、後悔し、また愛犬に申し訳なくて泣けてきました。

自宅で看取りを希望される、家族の意見は全員「看取り」で良いと思っているとは限りません。
やはり、人それぞれ死生観は違います。最期まであきらめず治療して欲しいと、最期まで頑張って欲しいと願う家族の気持ちもありますし、本人が退院したい、家に居たいと望むなら望みを叶えてあげたいと思う家族気持ちなど、家族の中でも葛藤があります。imag2e2089

人にはかならず死が訪れます。住み慣れた家で亡くなるということが、どういうことなのか、どういう状況になるのか説明して(人生の)最期を、残された余生を、どこで過ごすか、どう過ごすか、患者さん・家族の気持ちを尊重できるように関わっていきたいと思います。そして後悔のない選択ができるように。

訪問看護で気づかされた「死生観」を仕事で、皆さんに還元できれば良いのですが… 私では、まだまだ、役不足で悩む毎日です。せめて、このブログで、みなさんに「死生観」について考えていただける、きっかけになればと思い、ブログにのせてもらいました。

残暑きびしいので、みなさん体調にはお気をつけ下さい。

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