2011年6月24日金曜日

大隅鹿屋病院 訪問看護事業所ブログ ②

「大隅鹿屋病院 訪問看護事業所」を、知ってもらうために~

●訪問看護とは(?_?)
看護師などがお住まいを訪問し、療養生活を送っている方の看護を行うサービスです。本人や家族の意思、ライフスタイルを尊重して、QOL(生活の質)が向上できるよう予防的支援から看取りまで支えます。
  本人のみならず、家族の健康状態もチェックし、1人ひとりの健康課題を早期に見出し、医師と連携して病気の発症や重症化を防止します。医師や薬剤師、理学療養士、ケアマネジャーなどの多職種とも連携し、また、状況に応じて他の在宅サービスも取り入れていきます。

●今月は、2つのことをお伝えしたいと思います。
  1つ目は利用者さんとともに暮らすペットに注目してみました。

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名前は・裕次郎君
です。24年前、俳優石原裕次郎が亡くなるときに大阪から利用者さんの妹さんと一緒に帰鹿しています。名前は石原裕次郎からもらい、裕次郎と名前が付きました。来たときは、赤ちゃんで、ミルクを与えていらしたそうです。羽根もあり、クリーム色のオームだったそうですが、一緒に住むようになって5年目から、自分で羽根を抜いてしまったそうです。今では数本クリーム色の羽根が残っているだけです。ストレスなんでしょうか(?_?) 主食はひまわりの種ですが、時々、利用者さんと一緒にコーヒーも飲みます。羽根がないので寒い冬は、電気毛布を籠の中に入れてもらいます。室内だけの生活です。利用者さんの肩に乗ったり、部屋のあちこちを散歩もします。トイレは籠の中のトイレにしているそうです。えらいですよね! 利用者さんにとって家族の1人であり子供みたいな感じだと言われていました。

ペットと暮らすことは、心や体を病んでいる人、病気と言えないまでもその予防を考える人たちにとってペットなどの動物と過ごす時間はとても有意義であることがわかってきました。

「動物によるセラピー」、言い換えれば「アニマルセラピー」には医師など専門家が、動物を介在して治療にあたる動物介在療法と、単に動物と触れ合う動物介在活動があります。動物好きの人にとっては、専門家がいようといなかろうと「動物による癒し」効果があることは紛れもない事実です。出かけるとき見送り、帰宅したとき出迎えるペットの姿は、反抗期の子供たちよりよほどかわいい本当に家族の一員ですよね。訪問先でこのようなペットに出会えると心が癒されます。 P1010002

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この時期
、各家庭に訪問すると、紫陽花がいたる所に咲いています。雨露に濡れた紫陽花は、花色が微妙に変化し艶やかさをはなっています。

2つ目は、私が受け持った心に残る事例を紹介します。
Bさん:胆嚢癌のターミナルの方でした。1人暮らしで、体調が悪い時は、次女宅に行かれていました。1回目の担当者会議では、病気が悪くなったら、すぐ病院と連絡が取れ、入院もできるからという理由で、訪問看護が導入されました。家族も自営業をされていて多忙のため、常時介護ができない状態でした。そのため、デイサービス併設の宅老を利用し、自宅以外でも過ごせるよう生活の環境を整えました。嘔吐が続き入院もされましたが、退院後は、また宅老に帰り、訪問看護は1日2回点滴の確認や保清で入っていました。病状が進みADLの低下があり2回目の担当者会議が行われました。ご家族はこれから起こる病状の変化に不安はありましたが「看取りは自宅でしたい」と希望がありました。宅老に入所していましたが、徐々に歩行ができなくなって、ほかの利用者さんとの交流もなくなり自分の部屋だけの生活になっていきました。それでもご家族は、私服だったらいつで他の利用者さんの輪の中に入っていけるかなとの思いがあり、パジャマの準備はされていませんでした。まだまだ、元気でいてほしいという家族の思いが伝わってきました。いよいよおむつが必要になりパジャマに着替えることをお話しし、着替えのお手伝いをしているときに「家に帰ろうね」と思わず声をかけてしまいました。ご家族も同じ想いだったようで「お母さん、家に帰ろう」と言われ、その夜、連れて帰られました。自宅に帰えられ、病状は悪いながらも、安定していました。死期が近づくに連れ、ご家族の不安は大きくなるばかりで入院を希望されました。本人さんの「家にいたい」という想いを大切にしなくて、いつか後悔しないなどを確認したところ、ご家族は自宅での看取りを決意されたのかケアマネに相談し、家族の不在時は、ヘルパーを導入して自宅で看取りができた事例でした。これまで病棟経験の長かった私は病院で亡くなることがよいことと思っていました。しかしこの事例を通し最後はどこで生きるか、誰と過ごすことがよいのかを本人の想い、家族の想い、他職種との連携などターミナルで大事なことは何かを学ぶことができた事例でした。

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